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『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のクラーケン、日本の特撮映画をお手本にしていた

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
© Buena Vista Pictures 写真:ゼータイメージ

ジョニー・デップ主演『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズは、続編が最も望まれるハリウッド映画シリーズのひとつだ。2006年の全世界興行成績で第1位を記録したシリーズ2作目『デッドマン・チェスト』は作中に仕掛けられた小ネタが楽しい作品だ。

『デッドマン・チェスト』で大きな役割を果たすのがビル・ナイ扮するデイヴィ・ジョーンズタコの足の髭にカニ爪のような左手を持つ、半身半海獣という出で立ちも強力なインパクトを放つジョーンズは、巨大なイカのような海の怪物クラーケンを操り多くの船乗りを脅してきた。デップ演じるジャック・スパロウは幽霊船フライング・ダッチマン号の船長であるジョーンズと13年前「血の契約」を交わしていたが、その契約が終了するとき、フライング・ダッチマン号の船員として働くことを約束されていた。

クラーケンの不気味な動きの表現に、シリーズの特撮デザイナーたちはずいぶん苦心した。そこでアニメーション・ディレクターのハル・ヒッケルが担当スタッフに見せたのは日本映画『キングコング対ゴジラ』(1962)だ。大ダコがミニチュアセットを這う様子に、触手の動きをリアルに描くヒントを得たと言われている。

三浦半島にて本物の真ダコとミニチュア、実物大の触手の造形物を用いて撮影された『キングコング対ゴジラ』は、『ゴジラ』シリーズの中でも出色の出来として名高い。欧米では古くから大ダコや大イカが怪物として描かれることが多いが、意外にもその元ネタは日本の特撮映画だったようだ。

『最後の海賊』(2017)を最後に、新たなプロジェクトがなかなか進行しない状況であるが、「ふたつの新作企画」の可能性が囁かれ、デップがスパロウに扮した動画が話題になるなど、まだまだファンを惹き付ける要素は十分。改めて『デッドマン・チェスト』を鑑賞してみると、新作への期待に胸が膨らみそうだ。

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Source:ScreenRant

Writer

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Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。