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なぜ日本で不遇だった?映画『パワーレンジャー』で全日本人がひとつになれる3つの理由【特別映像解禁】

パワーレンジャー

日本の『スーパー戦隊シリーズ』がアメリカで『パワーレンジャー』として生まれ変わった!ハリウッド版『パワーレンジャー』が、2017年7月15日(土)ついに日本公開となる。今年(2017年)、アメリカで放送24年目に突入するTVシリーズの記念すべき1作目の主題歌”Go Go POWER RANGERS THEME”のGo(5)Go(5)にちなみ、5月5日に特別映像が公開となった。

https://youtu.be/0AvaOc1-dIs

『パワーレンジャー』なぜ日本で認知されていないの?

「スーパー戦隊シリーズを観て育った」という日本人は多いだろうが、アメリカでも「パワーレンジャーを観て育った」という大人は相当多いようだ。日本で生まれた特撮ヒーローの映像を見て、日本人と欧米人が同様にノスタルジーを感じることができるというのは、まさにポップカルチャーがもたらした異文化交流の好例だろう。しかし、なぜ日本発ヒーローがアメリカで国民的に愛されているという大成功を僕たちはこれまであまり知らなかったのだろう。ゴジラやポケモンには「クール・ジャパンだ」と言って大人たちは喜ぶのに、パワーレンジャーだけガン無視されてきたのには理由があるのだろうか。

日本のアニメのビジネス活用を伝えるサイト『アニメ!アニメ!ビズ』に掲載された記事「パワーレンジャーが日本で注目されない理由」では、「東映もバンダイナムコもパワーレンジャーの人気を隠していたわけではない」と断りながら、「おそらく日本ではサバン(編注:アメリカでのパワーレンジャーの製作会社)の政治活動とパワーレンジャーの関係があまりにも突拍子過ぎ、その双方に焦点を合わせた記事が書きにくいのであろう。また、政治記者が「パワーレンジャー」というものをあまり理解していないのかもしれない」と考察している。また、クールジャパン政策でも無視された理由については「経済産業省もパワーレンジャーを知らなかった」「役所側がパワーレンジャーを過小評価していたのかもしれない」との考えも綴っている。その裏には、このような”大人の事情”も見え隠れする。

東映、バンダイはパワーレンジャーにより経済的な恩恵はうけたが、俳優や音楽も差し替えられているので、日本で恩恵が及ぶ範囲が少ない。このようなことがあまり大々的に喧伝しない理由の一つだったかもしれない。

ヒラリーの最大スポンサー ハイム・サバンの軌跡 最終回 パワーレンジャーが日本で注目されない理由 – アニメ!アニメ!ビズ

東映はパワーレンジャーの制作についてアメリカ側にほとんど一任していたようで、だからこそアメリカは自国にフィットするコンテンツに”改変”することができた。逆に言えば、パワーレンジャーがアメリカで成功したのは彼らが自由にイジることができたからであり、そのため日本側も触れにくかった、というのが実情だろう。(その逆構図となったのが東映版スパイダーマンだろうか。)

しかし、今回のハリウッド映画版は、大人たちによって絶たれていたパワーレンジャーを媒体とした異文化交流に確変をもたらすだろう。俺たちは味噌汁をのんでホッとする、アイツらはバーベキューをやって少年時代を思い出す、全く違う世界に生まれ育ちながらも、パワーレンジャーを見れば一緒に「あぁ、懐かしいね!」と手を取り合える…。これってとっても凄いことだ。(もちろんスーパー戦隊とパワーレンジャーはそれぞれに独自のキャラや物語があるけれど。)

そして、映画『パワーレンジャー』には僕たち日本人にとっても世代を越えてひとつになれるパワーを3つも兼ね備えている。この夏、僕たちみんなが劇場で『パワーレンジャー』を共有すべき理由についてまとめてみたい。

全世代のノスタルジー

時代ごとに求められるヒーローは異なるが、スーパー戦隊は1975年の『秘密戦隊ゴレンジャー』からずっと続く永遠のヒーロー・シリーズだ。5人(たまに3人や6人)の戦士たちの物語は、仮面ライダーやウルトラマンと並んで僕たち日本人の少年時代を形成してきた宝。1975年当時子供だった大人たちも、今の子供たちも、”正義”ってのはこういうことだと学ぶ題材はずっとスーパー戦隊だったわけだ。幼稚園や保育園で”ごっこ遊び”をするときに、誰がリーダーである”赤”をやるのか、サポートタイプのキャラクターで場を和ませるのか、それともあえて一匹狼タイプのキャラクターを演じるのか、でも”ザコ敵”の役だけは当たりなくないなとか、ある種の社会の縮図を遊びを通じて学んだ覚えはないだろうか。

おそらく、現在50歳前くらいの世代に至るまで、「やっぱり赤レンジャーに憧れるよね」という思い出話は通じるはず。『パワーレンジャー』は、そんなノスタルジーをお兄さんにもおじさんにもたらしてくれる架け橋なのだ。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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