幻の実写版「パワーパフガールズ」実現しなかったプロットが判明 ─ 「搾取された少女時代に幻滅している設定」

お蔵入りとなった実写ドラマ版「パワーパフガールズ」について、当時クリエイターとして参加していたディアブロ・コーディが、幻となったプロットや当時の構想を語った。
ドラマ版「パワーパフガールズ」はDCドラマなどで知られる米CW局のもと、「強くてかわいい正義の味方」の少女ブロッサム、バブルス、バターカップが大人になり、「犯罪との戦いに明け暮れて子供時代を失った、失意の20代」として描く構想だった。2021年に撮影が始まったものの、全面的な仕切り直しが決定し、2023年には正式に企画が頓挫。当初、バブルス役はダヴ・キャメロン、ブロッサム役はクロエ・ベネット、バターカップ役はヤナ・ペローが演じるはずだった。
この作品でクリエイターを務め、脚本を執筆していたのが、「スリーピー・ホロウ」(2013-2017)のヘザー・V・レニエと、『タリーと私の秘密の時間』(2018)のディアブロ・コーディだった。米The Wrapの取材にて、コーディは知られざるプロットの一部を語っている。
「大人になったパワーパフガールズは、まだ幼いスーパーヒーローだった頃、自分たちが子役のように搾取されていたのだと感じて幻滅している設定でした。だから、彼女たちは長らくパワーを使っていなかった。しかし、タウンズビルが再び攻撃を受けたことで、お互いの違いを乗り越えて再結成しなければならないと悟るのです。」
もっとも、このアイデアについては、原作者クレイグ・マクラッケンが「大人にするならパワーパフガールズではない」「完全に別物になっていた」と苦言を呈していた。しかし、コーディは大人になった3人を描くことを楽しんだという。「大人版の『パワーパフガールズ』を作るのは、一般的に言ってチャレンジでした。既存の番組をそのまま実写化するほうが簡単だったかもしれません。けれど、少し変わったものを作りたかったんです」
バブルス役のダヴ・キャメロンは、以前「とてもコテコテで、とてもセクシーで、とても面白かった」と語ったほか、「撮影したものは気に入っていますし、最高に楽しかった。どう思われていようと、想像と違ったものになっていたと思います」と述べていた。しかし米CWのマーク・ペドウィッツCEOによれば、お蔵入りの原因は「わざとらしくて、あまり現実感がない」仕上がりになってしまったためだという。
コーディは企画の頓挫について、「多くの問題がありました。残念ですし、本当にガッカリしました。とても楽しみでしたが、うまくいかなかったんです」と振り返る。「時にはうまくいかないこともあります……実際のところ、ほとんどの場合はうまくいかないのです」と。“大人版”ならではのビジョンを形にしつつ、同時に原作ファンを満足させることもきわめて困難だったようだ。
現在、コーディは「いつか実写版『パワーパフガールズ』が製作されても驚きません」と言う。「ただ、また私が雇われることはないと思います」
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Source: The Wrap