『プレデター』権利めぐって訴訟、脚本家とディズニーが対決

まもなく公開35周年をむかえる『プレデター』(1987)の権利をめぐった争いが起こっている。
米The Hollywood Reporterなどによると、第1作の脚本を執筆したジム&ジョン・トーマス兄弟が『プレデター』の権利を取り戻すため、ディズニーに対して訴訟を起こしているという。
トーマス兄弟が主張するのは、アメリカの著作権法における「終了権」というもの。これは、著作者が著作権の譲渡や使用許諾をした場合、原則として35年後に一方的に取りやめることができるという制度だ。つまりトーマス兄弟は、『プレデター』が35周年をむかえることを期に、その著作権を取り戻そうとしているのである。訴状によると、”Hunters”とのタイトルだった『プレデター』オリジナル版の脚本は2021年4月17日で権利が切れるという。
トーマス兄弟は、2016年にも解除通知を提出していた。その後4年半の間に何の異議申し立てもなかったが、2021年1月初旬に被告(ディズニー側)の弁護士から突然連絡が入った。
被告側は合衆国法典に基づき、権利終了を遅らせることができる理論を盾に、終了通知は時期を逸していると主張。これを受けたトーマス兄弟側も、『13日の金曜日』の脚本家代理人として勝訴した実績のある著作権解除のスペシャリスト、マーク・トベロフを代理人に立てて応じた。
その直後、ディズニーの20世紀スタジオも、トーマス兄弟に対して訴訟で応えている。ディズニー/20世紀スタジオ側が用意したのは、かつて『スーパーマン』の権利をめぐってワーナー・ブラザースの代理人として闘ったダニエル・ペトロチェリ。この時相手となったのがトベロフだったそうで、トベロフ対ペトロチェリは再戦ということになる。
どのような影響があるか?まず懸念されるのが、ディズニーで企画されているという『プレデター』リブートの行方だ。これは『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)ダン・トラクテンバーグ監督によって計画されているとされるが、ディズニー/20世紀スタジオが『プレデター』の著作権を失えば、企画もとうぜん頓挫することになる。
裁判の結果によっては、今後の『プレデター』フランチャイズ展開に大きな影響をおよぼすことになるだろう。映画ではアーノルド・シュワルツェネッガーのダッチが身体に泥を塗ってプレデターと戦ったが、法廷でも泥沼の戦いが繰り広げられるのかもしれない。
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Source:THR