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米映像配信サービス「Quibi」約半年でサービス終了 ─ 資金20億ドルの巨大プロジェクト頓挫

https://quibi.com/

2020年4月に米国でサービスを開始した、“短編映像専門”の映像配信サービス「Quibi(クイビ)」が、始動から約半年でサービスを終了することがわかった。10月21日(米国時間)、報道ののちに公式声明が発表された。

“Quick Bite”、すなわち「軽食」を意味する「Quibi」は、4~10分程度の短編コンテンツを配信するサービスで、スマートフォンでしか視聴できないのが特徴。コロナ禍によってローンチ延期も検討されたが、予定通り2020年4月6日にサービスを開始していた。創設者はディズニー映画部門で責任者を務めたジェフリー・カッツェンバーグ、同じくディズニーでコンシューマー・プロダクツのマーケティングを統括したメグ・ホイットマンだ。

鳴り物入りでスタートした本サービスには、スティーブン・スピルバーグやギレルモ・デル・トロ、リドリー・スコット、アンソニー&ジョー・ルッソ、サム・ライミ、アントワーン・フークアらが作品のクリエイターとして携わっていた。出演者にもリアム・ヘムズワース、クリストフ・ヴァルツ、ソフィー・ターナー、ライアン・レイノルズ&サミュエル・L・ジャクソン、ウィル・スミスというスターたちが結集。ところが、企画の多くは日の目を見ないままサービスの終了が決定した。

Quibiは設立にあたり、ディズニーやワーナーメディア、ソニー・ピクチャーズ、NBCユニバーサル、中国のアリババなど多数のメディア&テクノロジー企業から出資を受けており、約20億ドルの資金をそなえていた。債権者に支払われる金額も含め、総資金のうち3億5,000万ドルが残る見込みだ。完全終了には今後数ヶ月を要し、ホイットマン氏によると数ヶ月分の資金は調達済みとのこと。サービス終了に伴い、約200人の従業員が職を失うとされる。

声明の中で、カッツェンバーグ氏&ホイットマン氏は「Quibiは素晴らしいアイデアであり、私たち以上にサービスを成功させたがっていた者はいなかった。挑戦の不足が失敗の原因ではありません。取りうる選択肢はすべて検討し、実践しました」とコメント。カッツェンバーグ氏は「サービス開始後、世界は大きく変わり、我々の単独のビジネスモデルは通用しなくなった」と記した。

ひとつの問題は、すでにリリースされていたコンテンツや、進行していた企画の今後だ。詳細は明らかになっていないが、ホイットマン氏は「今後数ヶ月にわたり、利用可能な資産を最大限活かせるバイヤーを探すことに注力する」との声明を発表しており、異なるサービスで企画が存続する可能性もある。

米Deadlineによると、Quibiは巨額の資金を投じたものの、投資に対する利益を上げることができなかったとのこと。サービス開始後の90日間は無料トライアル期間とされ、その間のアプリダウンロード数は560万にも達したというが、その後、月額4.99ドル/7.99ドルの有料プランを契約したユーザーの割合は非常に少なかったとされる。また、経営者側はコロナ禍の影響を示唆しているが、苦境の映画業界に比して、NetflixやAmazonなどストリーミングサービスは好調な傾向にあり、TikTokやYouTubeなどのモバイル端末での視聴数にも減少はなかったと報じられている。

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Source: Deadline

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。劇場用プログラムや各種媒体への寄稿なども喜んで承りますので、お気軽にお尋ねください。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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