サム・ライミ監督、『ドクター・ストレンジ/MoM』の「ホラー要素」を宣言 ─ 「未知のマルチバースにサスペンスや闇がある」

魔術を扱う主人公が邪悪な存在と闘う『ドクター・ストレンジ』(2016)は、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の中でも特にダークな作品だと言えるだろう。しかし、第1作で監督を務めたスコット・デリクソンが降板したことで、続編『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』では前作で顕著だったホラー的な要素が薄れてしまうのではないか……といった懸念が、ファンの間で広がっていたようだ。
デリクソンの後任として監督に就任したサム・ライミが米Fandangoの取材で、続編のホラー要素について次のような質問を投げかけられた。「(マーベル・スタジオの社長)ケヴィン・ファイギが、『続・死霊のはらわた』のファンが『マルチバース・オブ・マッドネス』を観たら、ハッピーになれるとほのめかしていました。彼は何を言いたいのでしょうか?この映画で、誰かがチェーンソーの腕を手に入れると言ってください!」ライミ監督は、こう答えている。
「それはないと言えますね(笑)。私が思うに(ケヴィンが)意味していたのは、ホラーのテイストがあるということではないでしょうか。オリジナル版のスコット・デリクソン監督とケヴィンが『マルチバース・オブ・マッドネス』の製作を宣伝していたとき、“初めてホラーの要素があるマーベルのスーパーヒーロー映画になる”と言っていたと思います。引用し間違えていないことを願いますが、スコットがクリエイティブ上の相違で降板した後も、ホラーの要素を持つ初のマーベル映画を作るために、それは使命でした。ですから、私は彼らの最初の発言に忠実であり続けました。
ある時は不気味で、ある時は恐ろしく。それがケヴィンの意味していた所だと思います。マルチバースでは何が出てくるか未知であり、その未知の中にこそサスペンスや闇が存在するのです。観客の恐怖心をくすぐるツールですね。それにコミックのドクター・ストレンジは、とても不気味なユニバースや次元を常に扱っているので、その一部を映画に持ち込もうとしたんです。」
ライミの発言から察するところ、続編は前作にも増してダークでホラーな要素がふんだんに投入されている模様。ケヴィン・ファイギが言及した『続・死霊のはらわた』(1997)とはライミがメガホンを取ったホラー映画で、本フランチャイズは監督の代名詞にもなっている。よって、ホラー映画界の第一人者として同ジャンルを牽引してきたライミが手がける『マルチバース・オブ・マッドネス』に、ホラー要素が欠如しているかもしれない……との懸念は杞憂だと言えそうだ。
ライミの十八番となるホラー要素に期待がかかる『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は、2022年5月4日(水・祝日)に日本公開。
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Source:Fandango