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サム・ライミ監督、幻の『スパイダーマン4』を惜しむ ─ 「スパイダーマンの新作が公開されると、嫌でも考えてしまう」

スパイダーマン
© Sony Pictures 写真:ゼータイメージ

2002年、アメコミ映画の運命を決定的に変えた映画が公開された。サム・ライミ監督による『スパイダーマン』だ。誰もが知るコミックを原作に、冴えない科学オタクがある日身に備わったスーパーパワーを駆使して「大いなる責任」を果たすべく奔走する等身大のヒーロー像は、2012年と2014年の『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ、そしてマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版の最新作が大ヒットを記録する現在もなお、スーパーヒーロー映画の金字塔として数えられる。

2004年には『スパイダーマン2』、2007年には『スパイダーマン3』が公開され、これらは「サム・ライミ版3部作」とまとめることができる。ところが、この3部作には実現しなかった幻の第4作目が存在。脚本まで執筆されていたものの、サム・ライミがプロジェクトを離脱したことで幻と消えてしまっていた。

2016年には、アート部門のジェフリー・ヘンダーソンが自身のWebサイトにて『スパイダーマン4』ストーリーボードの一部を公開。スパイダーマンとヴァルチャーが激しい空中戦を繰り広げる様子や、ミステリオを捕らえて警察署に連行するシーンの絵コンテが確認できる。偶然なことに、これらのキャラクターは『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2019)で順番に実写化されている。(ほか、このストーリーボードで描かれていないところでは、サム・ライミ監督はカート・コナーズ博士がリザードに変身するというアイデアにも関心を示していたという。リザードは後に『アメイジング・スパイダーマン』で実写化されることとなる。)

『スパイダーマン3』の仕上がりには満足できなかったというサム・ライミ監督にとって、『スパイダーマン4』は「最高の形でシリーズを終えたかった」失われた1作だ。今ではジョン・ワッツ監督が手がける若きスパイダーマンが世界を救っているが、ライミはこうした様子を見て、今なお『4』のことを「常に考えてしまう」という。米Yahooに語った。

考えるなという方が難しい。だって、いつも夏なると『スパイダーマン』の最新映画が公開されるじゃないですか!だから、生まれなかった映画のことを思って、もし実現していたらどうなっていただろうと、嫌でも考えてしまう。もちろん、これからのことに意識を集中して、過去は振り返らないようにしていますよ。」

ところでライミ版3部作は、現在まで続くアメコミ映画ブームの先駆けとなっている他にも特筆すべき先見性がある。ホラー映画出身の監督が手がけたという点だ。今でこそ、『アクアマン』(2018)ジェームズ・ワン監督(『死霊館』シリーズ)や、それこそMCU版スパイダーマン映画のジョン・ワッツ監督(『クラウン』でデビュー)など、ホラー畑から大作アメコミ映画への抜擢はひとつの潮流となっている。




『死霊のはらわた』シリーズで名を馳せたライミとあって、『スパイダーマン』3部作には得意のホラー演出がふんだんに盛り込まれている。ヴィランの造形にもホラー映画からの影響は色濃い。『スパイダーマン』グリーンゴブリン/ノーマン・オズボーンにはジキルとハイドから、『スパイダーマン2』ドクター・オクトパスにはフランケンシュタインから、そして『スパイダーマン3』サンドマンは狼男から、といった具合だ。

ライミは戦後のホラー映画の名門であるハマー・フィルム作品に「絶大な影響を受けている」と認めるが、それではもしも『スパイダーマン4』が実現していたら、ヴァルチャーやミステリオはどんな恐ろしいヴィランとして描かれていたのだろう。ライミと同じく、つい考えずにいられない。

ライミ監督が『ファー・フロム・ホーム』にコメント

Source:Yahoo

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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