『リアル・スティール』10周年、キャスト・監督が続編の可能性をアツく語る

誰しも「もっと評価されてほしい映画」というものに考えがあると思うが、『リアル・スティール』(2011)はどうか。ロボット格闘技を描いたヒュー・ジャックマン主演の映画で、メカSFやボクシングの興奮、週刊少年ジャンプ的な「友情・努力・勝利」の感動が詰まった作品で、監督は今や「ストレンジャー・シングス 未知の世界」『フリー・ガイ』(2021)で広く知られるようになったショーン・レヴィ。スティーヴン・スピルバーグにロバート・ゼメキス、ダニー・エルフマンまで参加している。
ちょうど米公開10周年を迎える本作、コロナ禍によって自粛生活のお供となったNetflixにおいて、人気トップ10入りを果たすなど(US、2020年9月)、再評価の機運が熟している。以前はレヴィ監督も続編の可能性について「いつも頭にある」と作品愛を語っていたところだ。
英Entertainment Weeklyはこの度、『リアル・スティール』公開10周年を祝し、出演のヒュー・ジャックマン、ダコタ・ゴヨ、エヴァンジェリン・リリー、アンソニー・マッキー、そしてショーン・レヴィ監督らによる大型の対談記事を掲載。本作を大ボリュームで振り返りながらも、夢の続編についても語っている。
中でも、地下闘技場を仕切っていたフィン役のアンソニー・マッキーは続編展開に熱心で、『リアル・スティール』がシリーズ化してほしいと望みを語っている。「パート2もできるし、パート10もできるはず。『ワイルド・スピード』みたいになってほしい」。
確かに『リアル・スティール』の世界には、個性も能力の様々なロボットやそのオーナーが登場し、様々な大会やドラマがありそう。レヴィ監督は1作目当時、映画に登場するすべてのロボットについて、「何年に、誰が設計したのか」といった細かな背景や、「ロボットボクシングの全歴史」も作成したと明かしており、仮に続編が実現すればこれらが役立つはずだと話している。
とは言え、実際のところ具体的な続編の話が動いているわけではない。レヴィ監督は本作が当時「『トランスフォーマー』のライト版のように売り出されたが、実際はぜんぜん『トランスフォーマー』じゃない」「本作のポスターはどれを見ても、怒れるロボットがうわぁーっと戦っているものばかりだが、それはこの作品の核ではない」「父と息子の物語だ」と、『リアル・スティール』の外面と内面のギャップについて振り返りながら「本作はそれなりに成功したが、充分な成功ではなかった」とシビアな現実を語っている。
しかしマッキーは、「僕はいつも続編をやろうって話をしているんです」とめげていない。マッキーが考える続編のアイデアでは、主人公の少年マックスが今では20代の大人になって、仕事で成功して多忙になり、ロボットボクシングはもうガキくさいと興味を失っているという設定。「それで、彼がまたロボットボクシングにハマって、仕事のストレスのない人生はなんて幸せなんだと気付いていく話です。良いストーリーになると思う」。
マッキーは「たとえ映画が失敗しても、オモチャを売って大金を稼げばいい」と、とにかく続編を実現させる理由を探そうとしており、熱心だ。レヴィ監督も「ファンの皆さんが『リアル・スティール』をずっと愛してくださっていることは、僕もヒュー・ジャックマンも分かっていますので、話は続けています」と認めている。果たして、ラウンド・ツーのゴングは鳴るか?