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『レミニセンス』驚愕の記憶再現装置、まさかの実写撮影 ─ 新開発の技術も「CGだと思われるんじゃないか」

レミニセンス
© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

『TENET テネット』(2020)クリストファー・ノーラン監督の弟であり、『ダークナイト』3部作や『インターステラー』(2014)では脚本を務めたジョナサン・ノーラン製作のSFサスペンス大作『レミニセンス』が2021年9月17日(金)に公開となる。

監督・脚本は、ジョナサンとともに「ウエストワールド」(2016-)を手がけたリサ・ジョイ。二人が放つのは、人の記憶に潜入(レミニセンス)し、記憶を360度の空間で再現する、<膨大な記憶>×<再現される空間>のトリックだ。実写撮影にこだわる兄・クリストファーと同じく、ジョナサン&リサは、CGを使用することなく、記憶の映像を360度の空間に再現してみせた

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© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

ヒュー・ジャックマン演じる記憶潜入エージェント・ニックは、記憶潜入ポッドを使って依頼人の記憶にアクセスし、その結果を3D映像として再生する。撮影にあたっては、その“再現される記憶”をいかに視覚化するかが課題となった。そこで製作チームは、本作のため、独自の映像マジック(通称「ホロメッシュ」)を開発し、記憶再現装置を完成させたのだ。

リサ監督は、記憶再現装置を実現するにあたり、「映像が投影される装置を丸いものにしたかった。ホログラムが本物だということを知るには、どこかひとつの面がリアルに見えるだけではダメだったから」と語る。前例のない技術を駆使した撮影には、それ相応の理由があったのだ。

「どこか一面だけで映像を再現するのは簡単だけれど、装置を円形にすることで、イメージが変容していく様子を見せないといけない。まるで、目の前にその人が本当にいるみたいに。そういうテクノロジーはまだ存在しないけれど、開発しているテクノロジーで実物の映像を見せられれば、キャストは演技がしやすくなるし、シーンに迫力が出ると思ったんです。」

レミニセンス
© 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved

「ウエストワールド」ではSF(サイエンス・フィクション)と西部劇を融合させ、本作ではSFとミステリーを融合させたリサ監督は、「SFの素晴らしいところは、サイエンスとフィクションの両方を本当にやらないといけないこと」だと力説する。本作の場合、劇中の出来事をリアルに見せるための新技術=ホロメッシュがそれだった。

「ホロメッシュと呼ばれる、発光するけれども通気性のある織物を円形に張り巡らせました。ヒュー演じるニックが見る記憶は、すべて事前に撮影したもの。撮影の時には、ヒューの動きを想定しながら別撮りする範囲を決め、ひとつのシーンを二度に分けて撮ったんです。ヒューがシーンに加わったときに違和感がないよう、カメラワークを二度とも同じにしました。監督やスタッフが長い定規を持って走り回る撮影現場なんて前代未聞でしたが、プロジェクターの投影距離をつねにチェックしておかなければいけなかったのです。」

実際にこのテクノロジーを目の当たりにしたヒューは、その完成度に驚かされたという。「機械のことは企画段階から聞いていたけれど、実際に目の前にした時は圧巻だった。あまりにも見事な出来栄えだから、観客にCGだと思われるんじゃないかと心配しましたよ。本当に再現されたホログラムなのに」。製作チームが苦心し、工夫を重ねて完成させた”記憶再現装置”。もちろん、物語のカギはここに投影される記憶の映像に隠されている……。

リサ&ジョナサンの生み出す世界に惹かれたヒューは、リサによる脚本を「これほど見事な脚本を読んだのは久しぶり」と絶賛した。「未知の世界を体感し、先の読めないストーリーを楽しみたいなら、この作品はうってつけ。作品の舞台は刺激的だし、ストーリーはオリジナルだから、どう展開するのか予想がつかない。話が二転三転したあと、最高のエンディングが待っています」。

映画『レミニセンス』は、2021年9月17日(金)より全国公開(IMAX同時公開)。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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