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『X-MEN』第1作、公開直前に大幅カットされていた ─ 「47分長かった」とヒュー・ジャックマン

X-MEN
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コミック映画人気の先駆けとなったマーベル映画『X-MEN』(2000)は、劇場公開の直前に大幅カットされていた……。ウルヴァリン役を演じたヒュー・ジャックマンが当時のエピソードを振り返った。

『X-MEN』といえば、20世紀フォックス(現:20世紀スタジオ)がマーベルの同名コミックを映画化した人気シリーズ。ディズニーによってフォックスが買収されるまで、メインシリーズは『X-MEN: ダーク・フェニックス』(2019)までの7作品が製作されたほか、ウルヴァリンを主人公とするスピンオフ3部作、さらに『デッドプール』シリーズや『ニュー・ミュータント』(2020)も誕生した。しかし、その滑り出しはたやすいものではなかったようだ。

米Colliderの取材にて、「これまでに編集段階で大きく変わった作品は?」と尋ねられたヒューは「『X-MEN』の1作目」と即答。「こっそりお話しすることですが、公開の1週間前は(完成版よりも)47分長かった」と述べたのである。

「実際より大げさかもしれないし、逆にもっと長かったかもしれませんが、たくさんカットされたんです。1週間というのも言い過ぎかもしれませんが、とにかく、“あのシーンや、あのキャラクターはどうなったの? えっ、待ってよ”と思ったのを覚えています。100分くらいの映画ですが、(実際は)もっと、もっと長かったんです。だから本当に驚きましたよ。」

『X-MEN』の製作については諸説あり、のちにブライアン・シンガー監督がハラスメントを告発された際、『X-MEN』の撮影現場にも問題があったことが指摘されている。もっとも、本編がカットされたのは別の理由によるものだろう。コミック映画/スーパーヒーロー映画が現在ほどの支持を得ていなかった当時、業界の『X-MEN』に対する反応は冷たかった。ヒューも「映画の完成までは戦いばかりだった」と振り返っているのだ。

「(『X-MEN』を)僕が撮り終えたのが2月で、公開は7月でした。業界の知り合いが──僕のエージェントでも、パトリック(・スチュワート)でも、スタジオの人間でもない方たちでしたが──僕に対して“次の仕事を取るように”と言ってきたんです。(映画に対する)業界の評判は良くないが、大丈夫だと。“コミック映画とは言わず、映画に主演したとだけ言ってオーディションを受けなさい、公開前に次が決まればチャンスができるから”という話でした。そのアドバイスを聞いて、オーディションを受けようと思った覚えがあります。」

実際のところ、『X-MEN』からどのようなシーンが削除されたのかはわかっていない。ヒューの記憶通り、本当に1時間近くカットされていたとしたら、物語のある部分がまるごと削除された以上の影響が生じたことだろう。ちなみに、現マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは本作にアソシエイト・プロデューサーとして携わっており、本編にもウェポンX計画の研究者としてカメオ出演していたと以前証言している。残念ながら登場シーンはカットされているから、この「47分」に出番が含まれていた可能性もあるのだ。

ヒューの最新作『レミニセンス』を手がけたリサ・ジョイ監督は、この大幅カットの話を聞くや、「それは完全版を出さないと」と一言。作品の権利がディズニーに移った今、実現の見込みは薄そうだが……。

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Source: Collider, Cinema Blend

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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