「犬版ジョン・ウィック」映画スター犬リン・チン・チンの復活企画が進行中 ─ ワーナーを救ったジャーマン・シェパードが帰ってくる

1920年代にサイレント映画期のハリウッドで活躍した、実在する“映画スター犬”リン・チン・チンを現代に復活させるという映画の企画が始動している。米Deadlineが報じた。
リン・チン・チンはもともとドイツ帝国軍の軍用犬だったが、第一次世界大戦のさなか、米軍の兵士リー・ダンカンによって救出されたのち、ドッグ・ショーに出演。ダンカンらの指示によって演技を見せることができたために、映画に出演するや人気を獲得した。主演映画『虎狼の群』(1923)は大ヒットを記録するなど、ワーナー・ブラザースを破産の危機から救ったといわれている。1932年にこの世を去るまでに27本の映画に出演した、まさにサイレント時代の映画スターなのだ。
Deadlineによると、ワーナー・ブラザースはリン・チン・チンを「犬界のジョン・ウィック」ともいえる現代のアクションスターとして甦らせる計画。1950年代に放送された西部劇ドラマ「名犬リンチンチン」と同じく、物語の主人公となる犬にその名を冠するのか、はたまたリン・チン・チンという新たなスター犬をふたたび登場させるのかは不明。現在、エリートの軍用犬が恐るべき攻撃を阻止するため極秘ミッションに挑む実写映画が検討されているという。
脚本を執筆するのは、同じく“犬映画”である、「スクービードゥー」シリーズのCGアニメ映画『スクーブ!(原題:Scoob!)』のマット・リーバーマン。アニメ映画版『アダムス・ファミリー(原題:The Addams Family)』や、ライアン・レイノルズ主演『フリー・ガイ(原題:Free Guy)』なども手がけている注目の作家だ。プロデューサーは『アメリカン・スナイパー』(2014)や『キャッツ&ドッグス』シリーズのアンドリュー・ラザーらが務める。
リン・チン・チンの復活企画については、2019年10月27日(米国時間)、過激派組織ISの指導者アブバクル・バグダディを米軍が急襲する作戦で軍用犬コナンが英雄として活躍し、ドナルド・トランプ米大統領から表彰されたことで、「ヒーロー犬というアイデアが真実性を増した」と伝えられている。ワーナーがこの出来事を受けて企画を本格始動させたのか、かねてより進んでいた企画と現実のタイミングが偶然噛み合ったのかは明らかになっていない。
Source: Deadline