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『ローグ・ワン』と『スター・ウォーズ』シリーズのつながり ─ 小ネタ・トリビアまとめ解説

ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
© Walt Disney Studios Motion Pictures 写真:ゼータ イメージ

映画ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)は、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(2005)と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』(1977)の間を描く物語だ。『ローグ・ワン』一本で観ても夢中になれる作品だが、もちろん他の『スター・ウォーズ』作品とつながる小ネタも多数登場する。

この記事では、『ローグ・ワン』に散りばめられた『スター・ウォーズ』の小ネタをいくつかご紹介しよう。

この記事には、一部に『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のネタバレ内容が含まれています。

カイバー・クリスタル

『ローグ・ワン』映画冒頭、少女時代のジン・アーソが母ライラから受け取る石のペンダントはカイバー・クリスタルと呼ばれるもの。ジェダイはこの鉱石からライトセーバーを作るのだ。帝国軍はカイバー・クリスタルの力を利用し、惑星まるごと吹き飛ばす火力を備えた宇宙要塞デス・スターの建造計画を進めていた…というのが本作『ローグ・ワン』のストーリーの核。ちなみにジンの持つカイバー・クリスタルには、オーラベッシュ文字(スター・ウォーズ世界における銀河標準語)で”FORCE”=フォースと刻まれている。

アナキン・パドメとマンション仲間だった可能性

ジン・アーソとキャシアン・アンドー、K-2SOがU-ウイングに乗ってジェダに向かう船内、うたた寝をするジンは、幼少の頃の記憶の中にあった。ここで父ゲイレン・アーソとクレニック、母ライラと共にいた室内の窓の向こうに広がる夜景は、『エピソード3 / シスの復讐』でパドメが暮らしていたコルサントのビルからの景色と一致している。アーソ家が暮らしていた建物は、アナキンとパドメが暮らしていたコルサントの上院地区内のビルの可能性がある。

コーネリアス・エヴァサンとポンダ・バーバ

惑星ジェダでキャシアン・アンドーが肩をぶつける二人組は、『エピソード4 / 新たなる希望』モス・アイズリーにも登場するポンダ・バーバとコーネリアス・エヴァサン

不気味な顔のコーネリアス・エヴァサンは、もとはバラバラになった身体をつなぎ合わせるサイボーグ化医療技術に没頭していたが、いつの間にか患者のあげる苦痛の叫びに快楽を覚えるようになってしまった闇医者だ。「気をつけやがれ」とキャシアンに絡むエヴァサンをたしなめていたのは、彼の相棒ポンダ・バーバ。

かつてはハイパースペース航路の中心地であったものの、宇宙の拡張につれて次第に寂れていったジェダは、『ローグ・ワン』の時代においてはフォース信仰文化発祥の地として「物好き」が集う街となっていた。帝国の支配下に置かれており、表には出せないような、カネになる危ない仕事もあったのかもしれない。コーネリアス・エヴァサンとポンダ・バーバがなぜジェダの聖なる町をほっつき歩いていたのかはわからないが、フォースなどとは真逆の裏社会に生きる彼らのことだから、きっと悪巧みを働いていたに違いないだろう。

悪運の強い二人はその後ジェダを離れ、デス・スターの試験射撃被害を逃れる。そこからタトゥイーンのモス・アイズリー宇宙港に行き着くと、ふらりと酒場に立ち寄る。世間知らずそうなガキがいたので、いつものようにイチャモンをつけて絡もうとしたのが運の尽き。まさか滅亡したはずのジェダイ・ナイトが居合わせたとは露にも思わず、オビ=ワン・ケノービのライトセーバー一振りでポンダ・バーバは右腕を斬り落とされてしまったわけだ。

デジャリック

過激派戦士ソウ・ゲレラのアジトでパルチザンのメンガーが楽しんでいるボードゲームは、『スター・ウォーズ』の世界ではお馴染みのデジャリックと呼ばれるもの。円盤型の盤上で行われるモンスターのチェスゲームで、『エピソード4/新たなる希望』ではミレニアム・ファルコンの船内でチューバッカとR2-D2がホログラム版のデジャリックをプレイしている。

ウィルズの守護者

ジェダで出会ったチアルート・イムウェベイズ・マルバス“ウィルズの守護者”として紹介されていたが、”ウィルズ”とは一体何なのか、本作劇中では説明されない。

スター・ウォーズの文脈において、ウィルズ(Whills)は長年、『ホイルズ』と日本語訳されていた。ウィル銀河史(かつて”ホイルズ銀河史”と呼ばれていたもの)はスター・ウォーズをコアに語る上で欠かせない存在だ。

『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』ラスト、オーダー66を生き延びたオビ=ワンがヨーダに「お主の古き師(クワイ=ガン・ジン)がフォースの冥界より戻った」と告げるシーンがある。クワイ=ガンは肉体を超越して永遠に生き続ける手法を学んだのだ。後にオビ=ワンとアナキンも体得するこの力は、『ウィルズのシャーマン』と呼ばれる人々(?)が知っているとされている。クワイ=ガンは物理世界を超越した世界でかつてジェダに祀られていたウィルズのシャーマンに接触しており、チアルート・イウムェはそこを守護していたということになる。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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