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『アベンジャーズ』ルッソ監督、MCUの多様性に疑問呈したアンソニー・マッキーを支持 ─ テッサ・トンプソン、今後への期待を語る

アンソニー・マッキー アンソニー&ジョー・ルッソ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/48469318202/ https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/48385334971/ Remixed by THE RIVER

『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)のアンソニー&ジョー・ルッソ監督が、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の掲げる“多様性”に疑問を呈したアンソニー・マッキーに支持のコメントを送った。米MovieMakerが伝えている。

2020年6月末、米Varietyの対談企画にて、マッキーは「マーベル映画に7本出て、すごく思い悩んだのは、プロデューサーや監督、スタントパーソン、衣裳デザイナー、プロダクションのアシスタント、全員が白人だったこと」と述べた。MCU初の黒人ヒーロー映画『ブラックパンサー』(2018)にも「今度は黒人の監督、黒人のプロデューサー、黒人の衣裳デザイナー、黒人の振付家……。僕は、こんなに人種差別的なこともないと思う」と意見したのだ。「黒人映画にしか黒人を使わないなんて、白人がメインの映画に黒人は力不足ってことかよって」。マッキーの言葉は、世界のメディアにて広く取り上げられた。

今回、ジョー・ルッソは「多様性については誰もが常に努力できると思う。この業界では常にそうだし、どんな業界のどんな場面でも同じ。だから、彼(マッキー)はまったく間違っていません」と述べた。「カメラの前であれ、後ろ側であれ、多様性を支持し、サポートしつづけるために誰もが努力しなければいけないと思います」。かたや、アンソニー・ルッソも「僕らはアンソニー・マッキーをとても尊敬しています」と支持を表明した。「彼は素晴らしい俳優であり、素晴らしい人。彼との仕事はとても良いものでした」。

なお、マッキーが言及したのはMCU作品をめぐる雇用の問題だが、劇中での表現については、MCUは多様性の表現を取り入れることを継続している。『ブラックパンサー』や『キャプテン・マーベル』(2019)に続くのは、世界各国からキャストが集い、聴覚障害の女優の起用でも話題を呼んだ『エターナルズ(原題)』、アジア系ヒーローの単独映画『シャン・チー&ザ・レジェンド・オブ・ザ・テン・リングス(原題)』である。

テッサ・トンプソン
テッサ・トンプソン Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36243143165/

『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題)』では、ヴァルキリーのセクシャリティについてもきちんと描かれる予定。ヴァルキリー役のテッサ・トンプソンは、Varietyにて「限界を広げ続けられるのがすごくうれしい。コミックにはクィアのキャラクターがたくさんいるわけだから、スクリーンにも登場すべき」とコメント。今後のMCU作品において、多様性が重要であることを再度強調した。

「こういう映画(MCU作品)は世界中で大々的に公開されるわけだから、有色人種や障害、LGBTQIAコミュニティを表現できれば、それはすごく大きなことだと思う。大勢の人たちが、特に若い人たちが映画館に行っているんだし、そこでみんなが自分自身のような存在を見られたら、自分の価値を実感できる。コミックの物語はまさにそういうことでしょう。私たちの違いが、私たちを特別にしているんだって。」

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Sources: MovieMaker, Variety

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。