奥様はゾンビ?新感覚ゾンビドラマ『サンタ・クラリータ・ダイエット』を見てそろそろダイエットしようと思った
どうも、Netflix中毒な私、アナイスです。
以前『ヘイターはお断り』というNetflixオリジナルドラマを紹介しましたが、今回は2017年2月に公開された新オリジナルドラマ『サンタ・クラリータ・ダイエット』についてお書きしたいと思います。

そもそも、「ダイエット」と「ドリュー・バリモア」に目がない私は、てっきりこの爽やかすぎるヴィジュアルから「郊外に住む素敵な夫婦が素敵な食生活をおくる様子を見て、私にそろそろダイエットをする気にさせる系ドラマ」だと思っていました。
全話を見終わりましたが、確かに、ダイエット向けのドラマではありました。
食欲を失くす、という意味でね。??
新感覚ゾンビドラマ、ドリュー・バリモアがとにかく血まみれ?
さて、先ほどの私のヴィジュアルに対する勘違いですが、よく目を凝らしてみると、二人が持っているアイスバックからは大量の血が滴り落ちていますね。
そう、実はこの作品は新感覚のゾンビドラマだったのです。
まずはこちらの予告編をどうぞ。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=y45Jkf1GxJk]?
このドラマはとにかくドリュー・バリモアがバリバリと人を食べまくる“ゾンビ主婦”として描かれているのです。?
ゾンビ的“猟奇的な彼女”ブーム到来?

“ゾンビもの”は1932年に公開されたヴィンテージホラー『White Zombie(恐怖城)』からはじまり、カルト的に有名なジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』によって、感染、人を食べるというカニバリズムの要素が加われ、今日に至るまで多くの市民が食べられてきました。?
ちなみにヘッドショットもしくは頭部を切断すれば死ぬ、という設定もこの時に出来ています。?それら多くのゾンビ映画から学んだ事は、ゾンビとは老若男女なるものだという事です。女性のゾンビも勿論います、特に上の写真の少女はその代表選手といっても過言ではないでしょう。?
そういった、“ゾンビもの”が生まれてから密かに人気だったゾンビ女子が、特に最近、“猟奇的な彼女”としてどんどん脚光を浴びてきているように感じます。
例を挙げれば、まずは『ライフアフターベス』(2014)。
恋人が不慮の事故で死んでしまい、悲しみにくれる主人公を演じるデイン・デハーン君。しかし彼女(ベス)が墓から蘇って嬉々とし、死体とイチャイチャする変態として描かれていますが、ベスが時が経つに連れて凶暴化していく事に戸惑います。
そして『ゾンビガール』(2014)

こちらも近年の映画です。『ライフアフターベス』との大きな違いは死んだ彼女が蘇った事に、こちらの主人公が一切喜んでいないところですね。しかも、別れた後だったので元カノでもあるという。
「おい、せっかく前から付き合いたかった子と付き合えたのになんで蘇ってきちまったんだ!」と言わんばかりに、以前よりよりクレイジーに(ゾンビに)なった元カノとの攻防戦は、しつこい女子に悩まされてきた男子の皆さんにとって共感必須なのではないでしょうか。
さて、このように近年特にゾンビ女子映画が増えてきている事で言えば、この『サンタ・クラリータ・ダイエット』もその部類に区分されます。
しかし、その中でもこのドラマが斬新だと言える理由は、主人公が妻であり、母であり、ある日突然変異によってゾンビとなってしまったという設定にある事、そしてそれを支える家族の視点、住宅地という日常に潜む非日常を描いているからなのです。
主婦が突然変異でゾンビに

主人公シーラは夫ジョエルとともに不動産を営んでいます。娘もティーンエイジャーで、少しうざったいご近所さんとの付き合いもしつつ、至極平凡に暮らしていました。ところがある日、シーラがとんでもない量のゲロと内蔵の一部のような物を吐いて、心肺停止。
次の瞬間生き返ったと思えば、心臓の鼓動が止まっている。つまり死んでしまったのです。
家族は困惑を隠せませんが、隣の家に住んでいるオタク系男子に助言を求めたところ、「奥さんはゾンビというわけだ」という答えに導かれます。

ゾンビといえばカニバリズム。もちろん、彼女も人肉を求めるようになります。
しかしここが面白くて、彼女は先ほど紹介したゾンビ女子と違って肌が腐っていたり、取れたり、グロい事になっていない。一見全く普通のクリーンな人間です。
そんな彼女が人を殺す事に躊躇なく、それをぼりぼり貪るというのですから、なんだかセンセーショナルなのですよ。
夫が凄く努力家

今お付き合い、またはご結婚されている方に手を焼いているけど、それも別に嫌いじゃないという方。ジョエルの気持ちがわかるかもしれません。
人肉を求める妻のため、人殺しに協力したり、死体遺棄をしたり、なんとも頑張ってくれる旦那さんなのです。いや、マジでいい旦那。妻がゾンビになったから夫婦生活が破綻する、とかそういった傾向は全くなく、むしろその秘密を死守すべく絆がより一層深くなるのです。
なんだか素敵な話ですよね。
娘の理解力も非常に高い

旦那はいいとして、シーラにはティーンエイジャーの娘がいる事を忘れてはいけません。しかしこの子もまた、旦那同様非常に理解力が高いのです。自分の母親を「ゾンビ」と諭した隣の家の男の子とつるむようになり、母親をサポートしたいと思うのです。
ただ、残念なことに母親が「異」の存在である事を受け入れてしまったが故に、平凡で退屈していた彼女も、自分自身も「異質」になりたがります。
盗みや不法侵入は愚か、法すれすれの事をしたり、学校を辞めたくなるのです。
「蛙の子は蛙」とも言いますが、例え蛙から生まれてなくても親が蛙になれば、本能的に自分も蛙になろうと思うのが子供。常識を逸脱した設定ではありながら、どこか現代の家族であったり教育方針を考えさせられる点も、このドラマにはあります。
このドラマが「ダイエット」向きである理由
ドラマのタイトルにもついている、「ダイエット」。
ダイエット(diet)とは本来は、
日常の(飲)食物、(治療・体重調節などのための)規定食、特別食、ダイエット、食餌(しよくじ)療法、食事制限
という意味を持っています。
つまり、このドラマのタイトルを訳すと『サンタ・クラリータ式規定食/特別食』となり、規定食/特別食が指すものは人肉というわけです。
平凡な住宅街の規定食が人肉、なんともブラックユーモアなタイトルですよね。

また、主人公が人肉をミキサーにかけ、スムージーとして持ち歩く様や、指をスナックとして持ち歩く様は、まるでダイエットに没頭してスムージーやスーパーフードスナックに凝るダイエット女子のよう。?
上記で述べたモチベーションがあげられそうなシチュエーションもそうですが、なにより私が何故このドラマが「ダイエット」向きなのかという究極の理由は、意外とドラマ全体にグロテスクな描写が多々でてくるからなのです。?

食欲を失せる、という意味でダイエット効果が非常に期待できるので、これはNetflixが私にこのドラマでも見て、いい加減ダイエットを始めろと言っているのかと錯覚してしまいましたね。
ゾンビ主婦、どうなる!?

さて、ドラマは1話では早速シーラがゾンビになります。一度人肉を食べてしまった彼女は、動物の生肉を食べることがもうできなくなってしまい、人殺しを余儀なくされるのです。
そこで夫婦は「殺しても平気な、悪い人をターゲットにしよう」と考えるのですが、“ご近所付き合い”がそれを阻んで、なかなか上手くいかない。そう、彼らの両脇に住んでいたのは保安官と警察官。いつシーラの秘密がバレてしまってもおかしくありません。ゾンビとして自己制御能力をシーラが失ってしまえば、家族はおろか全てを失ってしまう。一方旦那も娘も、なんとしてでも家族を崩壊を避けるべく、一家団結するのです。
一体この家族がどうなってしまうのか。
第一シーズンが10話編成と、見やすい話数でもあり、ホラー要素がそこまでないどころか、コメディなので安心して見れる事が魅力の、この新感覚ゾンビホームドラマ。
普通の主婦がゾンビになったら、果たしてどうなるのか……その目で確かめてみては?
Eyecatch Image:http://www.denofgeek.com/uk/tv/santa-clarita-diet/46402/santa-clarita-diet-drew-barrymores-netflix-cannibal-show-gets-a-trailer