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映画『SCOOP!』レビュー ベテラン中年パパラッチと女性新人記者が特ダネを追うバディー(相棒)ムービー! 

「モテキ」「バクマン。」など、手掛ける作品が話題を呼んで大ヒットをたたき出す大根仁監督が福山雅治を主演に迎えて新たに放つのは、1985年に日本テレビ系の「金曜ロードショー」で放送された原田眞人脚本、監督のTVムービー「盗写1/250秒」を基にした「SCOOP!」だ。

高校生だった大根監督が放送を観てすっかり魅了され、いつかはこの作品を自分で手掛けてみたいと思っていてようやく実現した。そういう筆者もリアルタイムで放送を観ていて、それ以降、観たことがない。DVD化もされていないので、今後、DVD化やTV放送してもらえないだろうかと期待しているのだが。

物語は福山演じるかつては伝説的なスクープをモノにしてきた中年のパパラッチ・都城が、吉田羊演じる副編集長・横川から、“SCOOP!”編集部に配属されたばかりの二階堂ふみ演じる新人記者の行川とコンビを組まされるところから始まる。案の定、まったくかみ合わずケンカばかりのふたりだが、次々にスクープをモノにしていき、雑誌の売り上げも順調に伸びていくが、ついに日本中が注目する重大事件が発生する……。

https://www.youtube.com/watch?v=CLpLmXU6AwQ

この映画、主役は福山だが、もうひとりの主役といえる二階堂が素晴らしい。最初はチャラチャラしたイマドキ女子という感じなのだが、都城やリリー・フランキー(大根組の常連でこの映画でも怪演!)演じる彼と腐れ縁の情報屋のチャラ源というクセのある中年男たち、横川や滝藤賢一演じる馬場などの副編集長を筆頭とする編集部のツワモノたちにもまれることによって記者として成長していく姿を、彼女の表情や立ち居振る舞いの変化によって感じさせる。その絶妙な上手さは彼女の女優としてのさらなる成長ぶりが伺える。

吉田や滝藤の副編集長や編集部員が雑誌の校了に向けてバタバタしたり言い合いをしたりと、緊迫感いっぱいの編集部の風景もリアルで、職業ドラマとしても楽しめる。 これまでに手掛けてきた作品でもその優れたセンスで観客を楽しませてきた大根監督だが、今回もエンターテイメントとしての面白さをこれでもかと見せてくれる。大根監督、次は何をやってくれるのだろうか。彼の新作に期待をせずにはいられないだろう。

Writer

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masashiobara小原 雅志

小学館のテレビ雑誌『テレパル』の映画担当を経て映画・海外ドラマライターに。小さなころから映画好き。素晴らしい映画との出会いを求めて、マスコミ試写に足しげく通い、海外ドラマ(アメリカ、韓国ほか)も主にCSやBS放送で数多くチェックしています。

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