セバスチャン・スタン、遅咲きの成功 ─ 40代で「ようやくやりたいことができるように」マーベル俳優からのキャリアを語る

いま、ハリウッドでセバスチャン・スタンほど予測不能のキャリアを歩んでいるスターもいないのではないか。
A24製作『顔を捨てた男』(2024)でゴールデングローブ賞の主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)に輝き、若き日のドナルド・トランプを演じた『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』(2024)ではアカデミー賞候補となったほか、長年演じてきたマーベル映画のウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ役を変わらず継続中。今後もさまざまな出演作が待機している。
ポッドキャスト「Stronger Podcast」に登場したスタンは、役柄ごとにさまざまな表情を見せてきたキャリアについて、「いつも自分自身に挑戦し、新しいことをしたいと考えてきました。これまでとは違うものを見せるため努力しなければいけなかった」と語る。特定の役柄を、別の仕事よりも優先したことは一度もないと。
「マーベルの仕事は、僕を人間として、そして俳優として本当に成長させてくれたし、これからもずっとそうでしょう。人間関係を学ぶことができたし、ロバート・ダウニー・Jr.やスカーレット・ヨハンソンたち、尊敬してきた人たちと過ごすことができる世界でした。まるで家族のような存在で、ここが居場所なのだと思えた。常に存在しているものですが、僕にとってはまだ第一歩だったのです。」
バッキー役で注目されたことをきっかけに、スタンは『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)や『ストレイ・ドッグ』(2018)『悪魔はいつもそこに』(2020)、ドラマ「パム&トミー」(2022)など野心的な作品を選んできた。それらの仕事が、より魅力的で複雑な役柄へと彼を導いてきたのだ。
「いま、ようやくここまで来られたと思います。40代で実現できて幸運です」とスタンは言う。「ティモシー・シャラメやオースティン・バトラーたち若い俳優は、僕が彼らと同じような年齢では到底できなかったことをやっている。僕はまだそのレベルにはいなかったので、彼らには驚かされます。“彼らは40歳になったらどうなっているんだろう?”と想像するんです」
ハリウッドのスター俳優としては遅咲きだが、「僕には成長が必要だった」とも語る。スタンはルーマニア出身で、幼少期に母と渡米してきた。それゆえに青春時代の大部分を、自分自身をアメリカナイズし、周囲になじませ、また自分の道を発見することに費やす必要があったのだ。そして「今、ようやく自分のやりたかったことができるようになった」という。
もちろん、映画業界では「自分がコントロールできることと、そうでないことがある」と強調する。どれだけ熱意をプロジェクトに注ぎ、どれだけ一緒に仕事をしたい人がいても、スケジュールや投資の問題は制御できない。すでに出演した作品のなかには、「奇妙なほどスムーズに決まった」企画もあっれば、『アプレンティス』のように実現が危ぶまれた企画もあった。
「トランプの映画には3年間取り組んでいて、実現するとは思いませんでしたが、消滅することもありませんでした。だからこそ、“いつか実現するべき作品、自分がやるべき仕事なのかも”と思っていました。全力を注げる企画はありますし、ほかにも大好きですがなかなか実現しない企画もある。常に障害があるのです。“もしかしたら今はふさわしくない、そういう運命なのかもな”と思わされます。」
ひたすらプロジェクトへの情熱を傾けながら、目の前にある作品に全力投球する姿勢が、いうなれば今のセバスチャン・スタンを形づくったのだ。今のスタンは、「ある意味、自分が選んだ道ではない気がします。10年後、どんな役を演じることになるかもわからない」とも話す。「もしかしたら10年語には、“この仕事はやりきった”と思い、別のことをしたいと思っているかも。たとえば、バイクでアメリカ一周とか……わかりませんけどね」。
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Source: Stronger Podcast
























