『ロード・オブ・ザ・リング』ゴラムの二重人格ボイスを即興再演 ─ アンディ・サーキス、ゴラムをプーチン大統領に見立てる

俳優・映画監督のアンディ・サーキスが、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』シリーズで演じたゴラムの声を即興で再演し、話題を呼んでいる。
近年では、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)など監督業にも力を注いでいるサーキスだが、もともとはモーションキャプチャー界の先駆者として知られている。これまでゴラムの他にも、『猿の惑星』シリーズのシーザー役、『スター・ウォーズ』シリーズのスノーク役といったアイコニックなキャラクターを演じてきた。
このたび米トーク番組に出演したサーキスは、2021年に発売されたJ・R・R・トールキンによる小説『指輪物語』の新たなオーディオブックでナレーションを担当したことを振り返った。多数のキャラクターを一人で演じ分けるのは至難の業だが、これに司会者のスティーヴン・コルベアは「どうやって違いを出すんですか?」としっかり質問。さらにコルベアはマイクを取り出して、サーキスに手渡した。
サーキスは「確か全部で132のキャラクターがいましたね」と語り、収録当時を振り返った後に、マイクを顔に寄せる。違いを出すための方法の一つとして「マイクとの物理的な距離だったり、どこから声を出したりするかを変えること」と明かしながら、即興でガンダルフ、エルロンドの声を実演した。さらに、気前の良いサーキスはファンも望んでいるであろうゴラムの声も再演。「ゴラムはこっち、スメアゴル(正直者のゴラム)はこっち」と、マイクの左右に顔を移動させながら、交互に演じたのだ。
ゴラム「我々には必要なのだ。キエフが必要なのだ。」
スメアゴル「そんな……愛しいしと。彼らは制裁を課してきますよ。」
ゴラム「制裁だ?制裁だと、愛しいしとよ!もし何かしてきたら、やり返してやる。」
察しの通り、スメアゴルとゴラムの会話の内容は、現在も続くロシアによるウクライナ侵攻に関するもので、センシティブな話題ではある。ただし、決してサーキスは無分別に発言したわけではなく、米Varietyや米Yahoo!が報じているように、プーチン政権を批判するための意図だと見られる。
ちなみに、このたびサーキスがトーク番組に登場したのは、最新作『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のプロモーションのため。同作では、マイケル・ケインらが演じてきた執事アルフレッドを演じている。