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『ザ・バットマン』欠陥のあるアルフレッド、ブルースの父親代わりになれるか ─ アンディ・サーキス単独インタビュー

ザ・バットマン
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

全く新しいバットマンが始動する。『ダークナイト』トリロジー以来となるバットマン単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が、2022年3月11日(金)に公開される。

本作で描かれるのは、まだバットマンとして活動2年目の、経験浅き迷えるブルース・ウェイン。そんなブルースを支える存在である、執事アルフレッド・ペニーワースももちろん登場する。

これまでマイケル・ケインら様々な名優が演じてきたアルフレッド役を新たに演じるのはアンディ・サーキス。『ロード・オブ・ザ・リング』ゴラム役や『猿の惑星』シーザー役などモーションアクターの第一人者として知られるようになった後、『ブラックパンサー』(2018)ユリシーズ・クロウ役でもインパクトを残す。近年では監督業にも邁進しており、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)でもメガホンを取った。

そんなアンディ・サーキスが演じる新アルフレッドとはどんな人物か?ロバート・パティンソンが演じるブルース・ウェインとはどのような関係を築いていくのだろうか?THE RIVERではサーキスに2度目の単独インタビューを行った。

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』アルフレッド役アンディ・サーキス インタビュー

──実はアンディさんにお会いするのは2度目なんです。『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』の時にもインタビューをさせていただきました

そうですよね!覚えてますよ。お元気でしたか?

──はい、元気でした。ありがとうございます!一度お話ししたことがあるもので、あなたには愛らしさや優しさがいかに備わっているかを知っています。そういったあなたらしい要素が、新しいアルフレッドにもたらされているのかなと思います。

マット(・リーヴス監督)からこの役のオファーをいただいた時、アルフレッドとブルースの関係性を中心的に掘り下げたいと言われました。このキャラクターには大きな欠陥や失敗があるんですが、それはバットマンに向ける父親としての感情を持ち合わせていないということです。彼はブルースの父親代わりになりたいと思っているし、息子に対する父親の感情を理解しようとしてはいる。でもそれは彼の性分ではないんです。彼は兵士として育ったので、そこで目にしてきたもののせいで感情が鈍り、ある意味では彼は感情を切り離してきたんです。しかし、彼はブルースの父が死んだ時、そこにいられなかったということに今でも大きな罪悪感や重荷を背負っている。

この映画では、アルフレッドとブルースの関係の初期の頃が観られます。彼はブルースに格闘術を教えるでしょうし、暗号の解読方法を教えることもあるでしょう。そこでは叔父と甥のような……、叔父というほど親密ではないかもしれませんけれど、そうやって一緒に取り組むこともありました。とにかく、少なくとも2人が共有できることがあるということです。

例えば暗号を解読するのは、バットケイブの中での中立的な環境で。彼らが着手する新しい領域(の仕事)です。そうやって2人はつながっているのですが、そうでなければブルースは心を閉ざしています。まるで10代みたいに、感情を閉ざしてしまっているんですね。今作ではそういったところを探求しています。

THE BATMAN-ザ・バットマン-
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

──アルフレッド役は、前シリーズではジェレミー・アイアンズが演じていました。実は『ハウス・オブ・グッチ』の取材でジェレミーとお話しする機会があって、そこであなたへのこの役の引き継ぎについて尋ねてみたんです。彼は、「バットマンとはハムレットのようなもので、様々な役者が演じることができる。彼も新しいキャラクター像を確立するだろう、なぜなら我々は皆違うからだ」というようなことをおっしゃっていました。あなたは過去のアルフレッド俳優の演技を研究しましたか?

いいえ、それはしていません。もちろん(同じく元アルフレッド俳優である)マイケル・ケインのことは存じ上げていますし、何度もご一緒しているので、役者として彼のことを敬愛しています。ジェレミーもとんでもない才能をお持ちの、素晴らしい役者ですよね。ただ、このキャラクターについて彼らのバージョンを研究したことはありません。

ジェレミーの言う通りですよ。この質問をされた時、私もずっと同じことを言っています。こういう役はアイコニックなので、人生のある程度の期間、そのキャラクターの守護者のようになって、その役を演じるのが仕事です。まさにシェイクスピアの劇のように、キャラクターを再創造するわけです。

全くジェレミーの言う通り、私も同意しますね。私たちはみんな違うのですから、キャラクターたちも違ったものになる。それでも、マット(監督)は特定の視点からキャラクターを描いているので、新たな一面もあります。アルフレッドは元軍人でもあって、エージェントとして活躍していたことがありました。実は私は、我が国の王室の近衛兵をモデルにしたくらいです。私が演技に取り入れた、些細な変化や些細なディティールが、バットマンとの関係性を変化させるのです。

──確かに、バットマンとの関係性というのがこの作品の核になってくると思います。演じるロバート・パティンソンとはどのように関係を深めましたか?

それが難しかったんですよ。コロナ禍の撮影でしたからね。だから一緒にいられる時間も多くなかったんです。撮影現場でお会いできる程度だったので、手短に関係性を築く必要がありました。通常、映画ではリハーサルをやったり、一緒に出かけたりできるんですけれど。今回は(撮影まで)直行でした。難しかったですね。

今作で彼が演じるブルースは、とても閉鎖的で、脆くて、苦しんでいる、ほとんど自己嫌悪的なキャラクターで、それが暗い暗い道を進んでいくんです。その中で、ヴィジランテとしての勇気を見つけようとするんですね。この役のために彼が選んだ選択を敬愛しています。彼が『トワイライト』3部作でやったことも大好きですし、その後に世界中でインディペンデント系の映画に出演して、変化のある役柄をこなしていったという選択も素晴らしいと思います。そうですね、彼のことはすごく敬愛しています。お互いに協力し合い、うまくやることができました。

『THE BATMAN-ザ・バットマンー』
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

──ちなみに『ザ・バットマン』の製作期間は、監督を手掛けられた『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』と重複しましたか?

はい。『ザ・バットマン』参加中は、『ヴェノム』のポスト・プロダクション中でした。実際、バットマンの間に『ヴェノム』の再撮影もあったので、『ヴェノム』の編集やVFXの作業、レビューなんかをやりながら『ザ・バットマン』に加わる期間もありましたね。

──『ヴェノム』製作のオフ中にスキー旅行に出かけて、腰を骨折したと聞いたのですが、大丈夫でしたか?

そうなんです。そうなんです……(苦笑)。でもラッキーなことがあったんですよ。アルフレッドは杖を使うという設定で書かれていたんです。完全に偶然なんですけれど。だから杖をつきながらアルフレッドを演じることができて、おかげでなんとかなった(笑)。

──えぇ!それは奇跡ですね(笑)。ところで、あなたはDC映画に出演して、マーベル映画にも出演して、『スター・ウォーズ』でも演じて、キングコングも、ゴジラも演じていますよね。ポップカルチャーものは全制覇って感じですけど、次はどうします?(笑)

すごく興奮しています。今はイドリス・エルバやシンシア・エリヴォと一緒に「刑事ジョン・ルーサー」の映画版をやっているところなのですが、演じるのが楽しいです。それから、自分の次の監督作も進めているところで、今はそういった企画が進んでいくことにワクワクしています。『動物農場』も順調に進んでいます。他にも監督を務める映画があります。とても楽しみですね。

DC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は2022年3月11日(金)に全国公開。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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