1993年の実写版『スーパーマリオ』は「最悪の映画、ガッカリした」とアニメ版ドンキー役 ─ 「ダメな映画もあるんだって気づいた」

スーパーマリオ初の長編アニメ映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』でドンキーコングの声を担当するセス・ローゲンは、同じく「スーパーマリオ」にハリウッドが挑んだ実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』(1993)に忘れられない思い出があるようだ。米Varietyにて語っている。
ミュージックビデオ出身のロッキー・モートン&アナベル・ヤンケルが監督した『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』は、当時50億円(4,800万ドル)もの製作費が投じられた意欲作。マリオ役は『ロジャー・ラビット』(1988)『ニクソン』(1995)など幅広い演技で評価される名優ボブ・ホスキンスが演じ、ルイージ役をジョン・レグイザモ、クッパ役を怪優デニス・ホッパーが演じたが、米国でも日本でも商業的成功には至らなかった。
ゲーム版「スーパーマリオブラザーズ」の発売が1985年だから、1982年生まれのローゲンはまさに“スーパーマリオ世代”だろう。「僕があの映画(『魔界帝国の女神』)を観たのは11歳の時で、すごく楽しみにしていた」というが、子どもながらに落胆したことを振り返っている。
「あれは史上最悪の映画のひとつ。とてもガッカリしました。“ダメな映画もあるんだ”ってことに気づかされたように思います。あの時まで、そんなことが自分の身に起きたことはなかったから。すごくヘコみましたね。」
ローゲンがこの言葉を口にしたのは、2023年4月に開催された『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のプレミア・イベント。約30年の時を経て、同じく「スーパーマリオ」の映画で声優を担当したことで、当時の出来事を「正当化できてよかった」とも言っている。「今の11歳は、僕と同じようにはがっかりしないと思うから」。
もっとも『魔界帝国の女神』は、たしかに興行的・批評的に厳しい結果となったものの、いまだ一部から熱狂的支持を集めるカルト作。「スーパーマリオ」誕生の地である日本でも根強い人気を誇っており、ローゲンの言うように「史上最悪の映画」とも割り切れない味わいがあることもまた事実だろう。
本作にはマリオ役にクリス・プラット、ピーチ姫にアニャ・テイラー=ジョイ、ルイージ役にチャーリー・デイ、クッパ役にジャック・ブラック、キノピオ役にキーガン=マイケル・キーといった豪華俳優陣が集結。ローゲンは「声優をやっていると、子どもたちが笑ってくれそうなジョークを思いつくことだけに集中できるのが良かったですよ」と声の仕事を楽しんだことも明かした。
監督は『ティーン・タイタンズGO! トゥ・ザ・ムービー』(2018)のアーロン・ホーヴァス&マイケル・ジェレニック、脚本は『ミニオンズ フィーバー』『レゴ®ムービー2』のマシュー・フォーゲル、製作はイルミネーションの創業者・最高経営責任者のクリス・メレダンドリと任天堂代表取締役フェローの宮本茂。ユニバーサル・ピクチャーズと任天堂が共同出資し、ユニバーサル・ピクチャーズが世界配給を担当する。
映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は2023年4月28日(金)に全国公開。
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Source: Variety