『ゴジラ』とスピルバーグ、ノーラン、キューブリック映画の共通点とは ─ 「モナーク」監督が持論

「怪獣王・ゴジラをどのように解釈するか?」。『ゴジラ』シリーズに挑んできたクリエイターは、日本や海外を問わず、みなこの課題に真正面からぶつかってきた。「モンスター・ヴァース」初の実写ドラマ「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」の監督・製作総指揮を務めたマット・シャックマンも、例にもれずその一人だ。
たとえば『GODZILLA ゴジラ』(2014)のギャレス・エドワーズ監督はゴジラを動物的に造形し、続く『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019)のマイケル・ドハティ監督は、『ゴジラ』シリーズや怪獣に対する天井知らずの愛情を炸裂させ、もはや「神々」として位置づけた。
では、本作にゴジラを登場させるうえで、シャックマンは自身の“ゴジラ像”をどのように確立したのか。THE RIVERの取材では、「ゴジラは非常に複雑かつ素晴らしいキャラクター。善でも悪でもなく、両方の要素を少しずつ含んでいる。そういった自然界や世界のバランスを、人間は完全に理解できないかもしれないけれど、ゴジラは理解しているのです」と語った。「善にも悪にもなりうるからこそ恐ろしく、そして美しい」のだと。

シャックマンは、SF映画・ファンタジー映画に見られる“センス・オブ・ワンダー”の要素に惹かれるそう。「“ワンダー”とは、美と恐怖が等しく存在すること」だと力説した。「スティーブン・スピルバーグやクリストファー・ノーラン、スタンリー・キューブリックの映画は、僕たちをそんな“ワンダー”の領域に誘ってくれる。ゴジラも同じで、常に畏敬の念を抱き、美しさと恐怖を感じさせてくれるのです」。
もちろん、シャックマンはゴジラの“パワー”と“威厳”にも注目している。それらがあるからこそ、「数々のSFやファンタジーに登場するキャラクターよりも壮大で崇高な存在だと感じられる」のだと。本作はあくまでも人間の視点から、そんな大いなる怪獣王を見つめることになる。
「(怪獣映画として)描きたかったのは、怪獣が人々にどんな影響を与えたかということ。(主人公の)ケイトは、サンフランシスコの橋でゴジラと遭遇したことで人生が大きく変わってしまいます。このシリーズは、その地点から彼女の物語を描きながら、同時に他の人々が怪獣からどんな影響を受けたのかを描いていくのです。」
「モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ」は、2023年11月17日(金)にApple TV+で第1話・第2話が世界配信され、その後1月12日まで、毎週金曜日に新エピソードが配信される。マット・シャックマンへのインタビュー全文は、11月20日にTHE RIVER掲載予定。
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