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『アベンジャーズ/エンドゲーム』後、アジア系新ヒーロー映画の監督が決定 ─ 武術の達人「シャン・チー」描く

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映画『キャプテン・マーベル』(2019年3月15日公開)を控えるマーベル・スタジオが、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)後に登場する新たな「アジア系ヒーロー」の単独映画を手がける監督を決定した。

Deadlineなどによれば、武術の達人である中国系アメリカ人のヒーロー、「シャン・チー」を主人公とする単独映画(タイトル未定)に『ショート・ターム』(2013)のデスティン・ダニエル・クレットンが就任したとのこと。デスティンはハワイ・マウイ島にルーツをもつフィルムメーカーとあって、近年のハリウッドにみられる「黒人映画には黒人のクリエイター」「アジア人の映画にはアジア人のクリエイター」といったトレンドとはやや趣の異なる人選となった。

1973年にコミックに初登場したシャン・チーは、ブルース・リー主演『燃えよドラゴン』(1973)が米国で絶大なる人気を得ていた当時、その影響を受けて誕生した“マスター・オブ・カンフー”と呼ばれるヒーロー。映画版はアジア人のステレオタイプ的表現を回避し、現代にふさわしいキャラクター造形が目指されるという。

本企画には、脚本家として『GODZILLA ゴジラ』(2014)や『ワンダーウーマン 1984(邦題未定、原題:Wonder Woman 1984)』のデイヴ・キャラハムがすでに起用されている。中国系アメリカ人であるデイヴは、『スパイダーマン:スパイダーバース』の続編映画を執筆するなど、ヒーロー映画に縁の深い人物だ。プロデューサーはマーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長が、エグゼクティブ・プロデューサーは同社のルイス・デスポジート、ヴィクトリア・アロンソ、ジョナサン・シュワルツが担当する。

レースを勝ち抜いて監督の座を射止めたデスティンは、『キャプテン・マーベル』主演のブリー・ラーソンと、これまで『ショート・ターム』『ガラスの城の約束』(6月14日公開)、そして『Just Mercy(原題)』でタッグを組んできた(ちなみに『Just Mercy』には、『ブラックパンサー』エリック・キルモンガー役のマイケル・B・ジョーダンも出演している)。今後のマーベル・シネマティック・ユニバースで大きな役割を担うであろうブリーからの信頼も、本作への起用には有利に働いた可能性もありそうだ。

ちなみに米The Hollywood Reporterによれば、惜しくも監督就任を逃した候補者には、『キックス』(2016年製作)のジャスティン・ティッピング、ドラマ「マスター・オブ・ゼロ」(2015-)製作総指揮・脚本・監督のアラン・ヤン、「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」「Marvel アイアン・フィスト」などでエピソード監督を担当してきたデボラ・チョウが検討されていたという。

『アイアンマン』(2008)にはじまったマーベル・シネマティック・ユニバースは、『キャプテン・マーベル』を皮切りに、再び新たな方向性へと舵を切ろうとしている。正式発表こそなされていないものの、マーベル・スタジオは『エターナルズ(邦題未定、原題:Eternals)』など多数の企画も進行中だ。

Source: Deadline, THR

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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