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マーベル社長、アジア系ヒーロー映画『シャン・チー』は「非常に独特でスペシャルな映画に」 ─ 多様性への取り組み、ブリー・ラーソンも支持表明

マーベルのロゴ

『アイアンマン』(2008)から『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年4月26日公開)へ。11年にわたるマーベル・シネマティック・ユニバースの物語が区切りを迎えようとする中、マーベル・スタジオは次の一手どころか、次の数年間にわたる計画をひそかに練り続けている。

ユニバースに新たな種族を登場させる『エターナルズ(邦題未定、原題:Eternals)』、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの単独映画などが報じられるほか、大きな注目を集めているのが、アジア系スーパーヒーローのシャン・チーだ。単独映画の監督には『ショート・ターム』(2013)デスティン・ダニエル・クレットン、脚本には『GODZILLA ゴジラ』(2014)デイヴ・キャラハムが起用されている。

「世界中のみなさんを作品に反映したい」

シャン・チーの単独映画化について、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は強い意欲を示している。インドのメディア「News 18」の取材で、ケヴィン社長はこう語ったのだ。

中国系アメリカ人のヒーローを描くことに、私たちは大きな魅力を感じています。非常に独特で、スペシャルな作品になりますよ。世界中にいる観客のみなさんには、スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)と同じようにシャン・チーにも反応してほしいと願っています。アメリカの国旗を持っているかどうかに関係なくね。マーベル・スタジオの作品は、それぞれのストーリーやスペクタクル、アドベンチャーを大切にしていますから。」

1973年、ブルース・リー主演『燃えよドラゴン』がアメリカで爆発的な人気を得るなかで、“マスター・オブ・カンフー”であるシャン・チーはコミックに初登場した。ブルース・リーから強い影響を受けて描かれたシャン・チーは、アジア人のステレオタイプが織り込まれた造形だったが、映画版ではステレオタイプ的な表現を回避し、現代にふさわしいキャラクター造形が目指されるという。

マーベル・スタジオは『ブラックパンサー』(2018)で黒人のヒーロー映画を社会現象的なヒットに導き、ブリー・ラーソン主演によるMCU初の女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』も見事にヒットさせた。これまで映画業界で“ヒットしない”とされてきたような作品を相次いで成功させたのだ。

「『キャプテン・マーベル』の成功は、みなさんが(女性ヒーロー映画を)観たがっていることを幸いにも証明したと思います。ワーナー・ブラザースが(『ワンダーウーマン』で)最初に証明したことでもありますが、『キャプテン・マーベル』は、『ワンダーウーマン』が単なる幸運や一度きりのものではなかったことを明らかにしました。」

キャプテン・マーベル
ⒸMarvel Studios 2018

ケヴィン社長は「私たちの作る映画には、すべてリスクがあると思います。リスクがあると思われるような映画を作りたいんです」と述べる。それから「私たちの映画には、この世界や、我々の作品を応援してくださる世界中のみなさんを反映したいと思っています。そこに自分たちの姿を見てほしいから」とも。

キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベル役のブリー・ラーソンも、フィリピンのメディア「Inquirer」の取材にて、マーベル・スタジオの取り組みにエールを送っている。

「これから誰が登場するかにかかわらず、マーベルには、これまで実現し、成功させてきた表現と多様性を深めていってほしいと思います。そこで私は、私たち自身の真実や、自分たちが何者なのかということを語っていきたい。(MCUの)ファミリーが魅力的なのは、全員がぜんぜん違う人たちだということですから。」

映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』は2019年4月26日(金)全国ロードショー

『アベンジャーズ/エンドゲーム』公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

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Sources: News 18, Inquirer

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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