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『シャン・チー/テン・リングスの伝説』新ヒーローの父親は極悪ヴィラン、物語の核は「家族」

シャン・チー/テン・リングスの伝説
©Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新作映画シャン・チー/テン・リングスの伝説』には、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)を経て始まったMCUのフェイズ4に、とうとう待望の新ヒーローが登場する。単独映画での初登場はブリー・ラーソン演じるキャプテン・マーベル以来だから、キャラクターとしての重要性がうかがえるというもの。米Entertainment Weeklyでは、本作のストーリーと登場人物にまつわる新情報が明かされている。

物語の主人公シャン・チーは、アメリカ・サンフランシスコに暮らす、20代の“ごく普通の青年”。無目的に生き、友人との遊びに日常のほとんどを費やしている彼には秘密があった。それは、かつて厳しい父親のもとで暗殺者を目指し修行を積んでいたこと。今では“ごく普通”を目指しているシャン・チーは、邪悪な父親の手によって元の世界に引き戻されることになる……。

プロデューサーのジョナサン・シュワルツ氏は「コミックにおけるシャン・チーの核は家族劇」だと断言する。監督を務めるデスティン・ダニエル・クレットンは、『ショート・ターム』(2013)『黒い司法 0%からの奇跡』(2019)など抑制された人間ドラマの名手だ。本作が初の大作映画にして初めてのアクション映画となるが、シュワルツ氏いわく、監督は『シャン・チー』が“家族劇”であることに惹かれていたという。

「(シャン・チーの物語が)家族のドラマであることに、デスティンは早くから焦点を合わせていました。壊れた家庭の、極めてダークかつ虐待的ですらある家庭環境が、長い時間をかけて子どもに何をもたらすのか、ということです。」

シャン・チーの父親ウェン・ウーは、犯罪に手を染め、息子にも同じ道を歩ませようとしていた男。いくつもの名を持ち、『アイアンマン』シリーズや『アントマン』(2015)に登場した犯罪組織「テン・リングス」のリーダー、マンダリンとしても知られる悪人だ。シャン・チーはその素性を知り、10年にわたって父のもとを離れているという設定である。

ちなみにウェン・ウーは、コミックに登場しないオリジナルキャラクター。それゆえシュワルツ氏は「(コミックのファンは)マンダリンと聞くと特別なものを予想されると思いますが、それとは別物かもしれません。名前以上に複雑で重層的なキャラクターです」と独自のアプローチを強調した。また、『インファナル・アフェア』シリーズやウォン・カーウァイ監督作品で知られる名優トニー・レオンが演じたことで、役柄にはさらなる深みが備わっている模様。クレットン監督は、ともすれば一面的にもなりかねない人物が「深い愛情を持つ悪役」になったと賛辞を寄せている。

ところで特報映像では、『ジュマンジ/ネクスト・レベル』(2019)のオークワフィナが演じるシャン・チーの友人、ケイティも存在感をたっぷりと発揮している。もっとも、親友であるケイティさえ、シャン・チーの過去や両親との関係は知らないらしい。演じるオークワフィナは、「ケイティはあまり大変なことをやらない人。だけど、とても思いやりがあって、誠実で、友情に忠実で、すごく勇敢」と語った。

シャン・チーの物語がいかにして幕を開け、どのようにヒーローとして完成するのかは本編のお楽しみだ。主演に抜擢されたシム・リウは、「この役を演じる一番の面白さは、シャン・チーの背景がまだ語られていないところ」と話す。「バットマンのオリジン・ストーリーにはいろんなバージョンがあるし、ピーター・パーカーがクモに咬まれて叔父さんを亡くすのはみんな知っている。だけどシャン・チーの物語はぜんぜん知られていない。だから作りたいものを作る自由があり、創造の選択肢がありました」。

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Source: Entertainment Weekly

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。外部寄稿に『TENET テネット』『ジョーカー』『シャザム!』『ポラロイド』劇場用プログラム寄稿など。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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