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『シャン・チー』主演シム・リウ、ディズニーCEOの「実験」発言に反論 ─ 「いかに僕たちがこの映画を信じているか」

シャン・チー/テン・リングスの伝説
©Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、思わぬ緊張感のもとでワールド・プレミアを迎えることとなった。開催直前、主演俳優のシム・リウが、ウォルト・ディズニー・カンパニーのボブ・チャペックCEOの発言にSNSで反論したのである。

発端となったのは、ディズニーが『シャン・チー』を、劇場公開の45日後にディズニープラスで配信するという新戦略を採用したこと。『ブラック・ウィドウ』では“プレミア アクセス”という形での同時配信となったが、本作は45日間の劇場独占上映が確約されている。これについて、チャペック氏は投資家向けの説明会で「我々にとっても興味深い実験になるでしょう。[中略]今後に影響を与える、新たなデータ・ポイントになる」と述べたのである。

しかし、『シャン・チー』はキャストたちにとって非常に重要な作品だ。『ブラックパンサー』(2018)がキャスト&スタッフのほとんどを黒人が占めたように、シャン・チーはMCU初のアジア系ヒーローであり、作品の主要キャストも主にアジア系の役者が固めた。チャペックの発言を明らかに踏まえ、リウはSNSに「僕たちは実験ではない」と記したのである。

「僕たちは実験ではありません。

僕たちは勝ち目がないと思われ、過小評価されています。僕たちは、ガラスの天井を壊す者たち。あまたの問題を抱えた一年を経て、(自分たちの)文化と喜びの祝福を続けることでしょう。

僕たちはサプライズなのです。

9月3日、歴史を作ることへの気合いでいっぱいです。一緒にやりましょう。」

Varietyはプレミアの会場で、リウ自身に投稿の真意を尋ねている。

「いかに僕が気合いを入れているのか、ただ皆さんに知ってほしかった。誰もが厳しい、つらい時を過ごしている中では、そういうメッセージを伝えることが大切な時もあると思います。それが僕の感情であり、本心です。いかに僕らがこの映画を信じているのか、いかに素晴らしい作品なのかを世界にお見せするわけですから。まさに世界を変えることになると思います。」

同じく、プレミアではマーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギもリウの投稿に反応した。「彼はシャイな男ではないですからね」と前置きしつつ、ファイギ社長は「みなさんがご覧になったツイートは誤解されていると思います。(対立しようという)意図ではありません」と代弁した。「その証拠は映画の中にあって、我々はいつもどおり大胆な挑戦をしています。大きな創造的エネルギーを投じ、このオリジン・ストーリーを映画化するための予算も惜しみませんでした」。

ちなみに『シャン・チー』については、このワールド・プレミアを経て、早くも絶賛コメントが広がっている。「歴史を作る」と宣言したリウの意気込みはどのような形で達されるのか? いよいよ劇場公開が近づいてきた。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は2021年9月3日(金)全国公開

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Sources: Simu Liu, Variety, The Hollywood Reporter

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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