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人気B級映画『シャークネード』主演俳優の出演料、なんと『ワンダーウーマン』ガル・ガドットよりも高額に

Actor Ian Ziering at NBCUniversal's 2014 Summer TCA Tour on July 14, 2014 / Mingle Media TV ( https://www.flickr.com/photos/minglemediatv/14487993737 ) / Remixed by ORIVERcinema

いわゆる“B級映画”を数えきれないほど送り出してきた、映画製作・配給会社「アサイラム」の主力作品のひとつ、それが『シャークネード』シリーズだ。2013年に第1作が発表されるや一部映画ファンから熱狂的な支持を獲得し、以降毎年のように続編が作られつづけている、もはや完全なる「人気シリーズ」である。

この『シャークネード』シリーズの全5作で主演を務めているのが、かつて『ビバリーヒルズ高校白書』『ビバリーヒルズ青春白書』(1990-2000)でスティーブ・サンダース役を演じたイアン・ジーリングだ。
継続は力なり……というべきか、なんとジーリングは最新作『シャークネード5 グローバル・スウォーミング(原題:Sharknado 5: Global Swarming)』で、2017年の大ヒット映画『ワンダーウーマン』のガル・ガドットをしのぐ出演料を受け取ったという。

ところで『シャークネード』がどんな映画なのかご存知のない方は、ひとまず最新作『グローバル・スウォーミング』の予告映像をご覧いただきたい。

『シャークネード』が高いのか、『ワンダーウーマン』が安いのか

いわゆる“サメ映画”の常識を覆す……どころではない『シャークネード』シリーズの最新作『グローバル・スウォーミング』は、シリーズの過去作品よりも多額の予算で製作がスタートした。ハリウッド・レポーター誌によると、その予算総額は300万ドル(第1作の2倍!)で、主演のジーリングにはその6分の1にあたる50万ドルが支払われたというのだ。これは『ワンダーウーマン』でガル・ガドットが受け取ったという30万ドルの出演料を20万ドルも上回る金額である。

もっとも『ワンダーウーマン』におけるガドットの出演料は以前より物議を醸していた。『マン・オブ・スティール』(2013)でヘンリー・カヴィルが1,400万ドルの出演料を受け取っていたため、「格差が大きすぎる」と問題視されたのである。
ただしガドットの「30万ドル」という金額は“基本出演料”であり、またカヴィルの「1,400万ドル」という金額には、基本出演料のほか、『マン・オブ・スティール』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)のヒットによる追加の支払いも含まれている。『ワンダーウーマン』が大成功を収めたことで、最終的にガドットはカヴィル以上の出演料を受け取るのではないか…という推測の声もある状況だ。

またヒーロー映画というジャンルの内部で比較すると、ガドットの出演料は安すぎる金額ではないともいわれている。ガドットは『バットマン vs スーパーマン』『ワンダーウーマン』、そして『ジャスティス・リーグ』(2017年11月23日公開)の3本でそれぞれ30万ドルの基本出演料を受け取る契約だが、マーベル・スタジオも『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』(2011)ではクリス・エヴァンスに約30万ドルを支払っていたというのだ。ロバート・ダウニー・Jr.やクリス・ヘムズワースも、シリーズ1作目の『アイアンマン』(2008)や『マイティ・ソー』(2011)では50万ドルに満たない出演料だったという。

こうした観点から、映画情報サイト「ScreenRant」は、むしろ『シャークネード』が50万ドルの出演料を支払っている方が不可解だと記している。ただし同サイトは、『シャークネード』シリーズにとってジーリングは“シリーズの顔”であること、また同シリーズがテレビ放送用の映画であることから、これまでジーリングが追加出演料を受け取っていなかったであろうことが今回の金額に結びついたのではないかと推測。つまり『シャークネード5』でジーリングが受け取った50万ドルは“ご褒美”で、『ワンダーウーマン』でガル・ガドットが受け取った30万ドルは“始まり”だと考えるべきだ、というのである。

しかしながら、ハリウッドのテレビ・映画業界における賃金格差問題は依然として根が深い。
なんと『シャークネード』シリーズでも、ヒロインのエイプリル・ウェクスラーを演じているタラ・リードの出演料がジーリングの4分の1程度に抑えられているというのだ。しかも第3作の撮影中にリードが出演料について抗議すると、放送局であるSyfyが“エイプリルを生かしておくか、それとも殺すか”という投票を行ったという展開もある(のちに局側はリードによる抗議と投票の関連性を否定)。全てのファンが気持ちよく作品を楽しめるよう、そうした差別やトラブルは一刻も早く是正されることを望みたい。

映画『ワンダーウーマン』は2017年8月25日より全国ロードショー
なお『シャークネード5 グローバル・スウォーミング』の日本リリース予定は不明だ(2017年8月7日現在)。

Sources: http://www.hollywoodreporter.com/features/how-sharknado-casts-c-listers-landed-trump-as-president-1025676
http://screenrant.com/sharknado-5-ian-ziering-wonder-woman-gal-gadot-pay/
https://www.vox.com/culture/2017/8/2/16084060/ian-zierings-sharknado-5-paycheck-wonder-woman-gal-gadot
https://www.vox.com/culture/2017/6/20/15840802/gal-gadot-wonder-woman-salary-cavill-14-million
Eyecatch Image: Actor Ian Ziering at NBCUniversal’s 2014 Summer TCA Tour on July 14, 2014 / Mingle Media TV ( https://www.flickr.com/photos/minglemediatv/14487993737 ) / Remixed by THE RIVER

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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