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【解説】『シャザム!』なぜDC映画初の「実在の街」フィラデルフィアが舞台となったのか ─ ヒントは雷に縁あるアノ偉人

シャザム!
「シャザム!」(C) 2019 Warner Bros. Entertainment Inc. SHAZAM! and all related characters and elements are trademarks of and c DC Comics.

DC映画最新作『シャザム!』は、シリーズで初めて実在の街が舞台となった作品だ。これまで、スーパーマンはメトロポリス、バットマンはゴッサムシティ、ワンダーウーマンはセミッシラに、アクアマンはアトランティスと、架空の地で物語を紡いできた。『シャザム!』は、アメリカはペンシルバニア州、フィラデルフィアの街並みが登場する。

ザッカリー・リーヴァイ、フィラデルフィア訪れて感激

フィラデルフィアを舞台とした映画は80年代作品を中心に良作が多いが、中でも最も知られているのが『ロッキー』シリーズだろう。シルヴェスター・スタローン演じるロッキーがフィラデルフィア美術館の階段を駆け上がるシーンはあまりにも有名である。

『シャザム!』の主人公で、大人の姿に変身したビリー・バットソンを演じるザッカリー・リーヴァイは、本作の撮影のために初めてフィラデルフィアを訪れたという。地元メディアに語ったところによれば、『ロッキー』に登場した階段を登って、その景色に感動したのだとか。「僕は『ロッキー』を観て育ちましたし、あの階段はすごく有名ですよね。現地に行って実際の景色を見て、ウィリアム・ペン(フィラデルフィア市庁舎屋上)から街並みを見下ろしたのは最高でした。」

どうしてフィラデルフィア?

それでは、なぜ『シャザム!』の舞台にフィラデルフィアが選ばれたのか。本作の主な下敷きとなったジェフ・ジョンズによる「NEW 52」シリーズの原作コミックもフィラデルフィアが舞台であるが、監督のデヴィッド・F・サンドバーグによれば、「ベンジャミン・フランクリンのためにフィラデルフィアを選んだのでしょう」とのこと。

シャザム!
©2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

ベンジャミン・フランクリンは18世紀アメリカの政治家、物理学者、気象学者で、雷が電気であることを明らかにした人物だ。電気に興味を持っていたフランクリンは1752年、雷を伴う嵐の中で命がけの凧揚げ実験を行い、それまで謎に包まれていた雷の実態を明らかにした。避雷針の発明もフランクリンによるもの。この偉人が人生の大部分を過ごし、死没したのがフィラデルフィアなのである。「シャザム」の名を唱えて雷のパワーで変身し、電撃を操るシャザムならではのリスペクトだ。ちなみに本作のワーキング・タイトル(撮影中の仮称)は『フランクリン(Franklin)』だった。

『シャザム!』は他にも実在の地が登場していて、シヴァナの幼少期が描かれていたのはアップステート・ニューヨークという設定だ。監督は「メトロポリスとか、そういったものになることはなくて」と続ける。

これまで架空の土地を舞台とし、神話のような雄大さが魅力だったDC映画シリーズの中、『シャザム!』は初めて実在の地に足を着けた。誰もが楽しめる明るさや気軽さは、こうした舞台設定にもあるのだろう。実際の撮影のほとんどはカナダのトロントで行われたというが、劇中に登場するフィラデルフィアの名所を追うのも楽しいはずだ。

『シャザム!』は2019年2019年4月19日(金)より公開中。

『シャザム!』公式サイト:http://shazam-movie.jp

Source:Philly.com,Comicbook.com

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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