『シャザム!』監督、ネットのアメコミ映画ファン議論から離れたい ─ 批評家ウケの悪さに「驚いている」

2023年のアメコミ映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』同様、『シャザム!~神々の怒り~』は“観客評価は高いが、批評家評価は低い”という事態に見舞われている。本記事時点で、米Rotten Tomatoesの観客スコア87%に対し、批評家スコア52%という亀裂が生じているのだ。
本作を手掛けたデヴィッド・F・サンドバーグ監督は、この評価を複雑に思っている。「この1本の映画で、Rotten Tomatoesの自分史上最低批評家スコアを取ってしまったが、観客スコアの方は自分史上最高だ」とTwitterに投稿した。「1作目で受けた批評が繰り返されるとは思わなかったが、良い映画になったと思っていたので、やっぱりちょっと驚いちゃう。しゃーないけど」。
監督は筆者とのインタビューで「次はホラー映画でも撮ろうかなと考えています」と話していたが、Twitterにも同じように「これはしばらく言ってることだけど、すごくホラーに戻りたい」と吐露。「新しいことにも挑戦してみたい」との向上心も示した。
「『シャザム!』を6年やって、今はスーパーヒーローものはもういいかな」とも続けた監督といえば、もともと『ライト/オフ』(2016)『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)で注目されたホラー畑の出身だ。得意の恐怖演出と共に『シャザム!』シリーズでは巨大なファンダムを持つDCユニバースに飛び込んだが、監督の言葉は、巨大なユニバースが故に翻弄される部分もあったことを伺わせる。こんなふうにも綴っているのだ。
「はっきりさせておきたいけど、僕は『シャザム!』2作目を作ったことを後悔はしていません。(中略)僕が本当に楽しみにしているのは、ネットのスーパーヒーロー議論から離れられることです。これはすごく大きなストレスだったし、もうそんなことを考えなくても済むのは嬉しいことです。」
本作に出演したレイチェル・ゼグラーも、映画への批判的な意見に良い思いをしていない。「一部の人たちはなんだか……、意味もなく意地悪だよね。そんなの不必要なのに」と吐露しつつも、「私たちの映画は実際すごく面白いんだよ!」と作品を鼓舞するよう努めた。
『シャザム!〜神々の怒り〜』はシリーズのファンを楽しませる爽快な作品となっているが、米興収では事前予測を下回るデビューに。海外メディアは本作が「おそらくフランチャイズを殺した」のだとして、何が敗因となったのかを考察し始めている。
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