「シー・ハルク」アボミネーション再演のティム・ロス、『シャン・チー』は未見 ─ スタン・リーとの会話が現在につながった?

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のドラマ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」では、『インクレディブル・ハルク』(2008)の主要ヴィランだったアボミネーション/エミル・ブロンスキーが本格的に復活。アボミネーションは先行して『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(2021)でカメオ出演を果たしているが、演じるティム・ロスは同作を未見なのだという。また、「シー・ハルク」に出演したいと思った理由も明かしている。
この記事には、「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第3話『エミル・ブロンスキーの仮釈放』のネタバレが含まれています。
『シャン・チー/テン・リングスの伝説』でアボミネーションは、シャン・チー一行が訪れた地下ファイトクラブで、『ドクターストレンジ』シリーズのウォンと格闘していた。「シー・ハルク:ザ・アトーニー」では、主人公シー・ハルク/ジェニファー・ウォルターズがアボミネーションの弁護を引き受けることになり、今のところ第2・3話に登場。第3話では地下ファイトクラブ出場へ繋がる展開が描かれた。『シャン・チー』では短いカメオ出演だったのに対し、「シー・ハルク」では物語の方向性を握る重要な役割を担っている。
米Screen Rantの取材に応じたティム・ロスは、「『シャン・チー』の話が来た時、『シー・ハルク』の役の大きさについて知っていたのですか?それとも驚きましたか?」との問いに答え、参加の経緯を説明している。
「奇妙な話なんですよ。事の成り行きは、スタジオに声優をやらないかと訊かれたんです。『シャン・チー』については何も知らなかったし、まだ観ていません。ダメですね。でも、みんなが大好きなのは知っています。スタジオに、“アボミネーションをモンスターのバージョンで登場させたいんだ。そのシーンを演じてくれないかな?”と言われて、そういう順番で参加したんだと思います。」
『シャン・チー』でアボミネーションは人間の姿では登場していないため、ロスは声優としてのみ収録に参加した模様。続けてロスは、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長とプロデューサーのウェンディ・ジェイコブソンと話し合いの場を持ったと明かし、「シー・ハルク」の内容に関して説明を受けたのだという。
「ドラマを気に入ったのは、最初にケヴィンやスタン・リーと話をした会話を思い出したからです。(『インクレディブル・ハルク』の)撮影現場で、僕たちは“彼(アボミネーション)はどうなるんだろう?彼はどこにいるんだろう?”と話をしました。そして彼らが、もし再びアボミネーションを見つけたら、安全のために何重にも錠をして、収監されて海の底に沈んでいるはずだというアイデアが出たんです。ある意味、ずっと彼が居たのは刑務所だったんですよ。彼は重警備の刑務所で隔離され、再び彼を目にするまで何年にもわたって外の世界と切り離されていたということです。そして、誰が彼を救いに来るかというと、それがシー・ハルクというわけです。」
アボミネーションが重警備刑務所に収監されているというアイデアが、何年も前に故スタン・リーとファイギの間で浮上していたとは何とも興味深い。なお、脚本家のジェシカ・ガオは、「シー・ハルク」にアボミネーションを登場させることにした結果、『シャン・チー』で先行復活することになったと説明していた。
ドラマ「シー・ハルク:ザ・アトーニー」は、ディズニープラスにて独占配信。
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Source:Screen Rant