「SHOGUN 将軍」按針に「おらは犬じゃ」と言わせるシーンは浅野忠信のアドリブだった

ハリウッド戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」では、真田広之をはじめとする日本人キャストたちの演技が称賛されている。中でも高い人気を得ている役者の1人は、樫木藪重役を演じた浅野忠信だ。米Varietyのインタビューでは、本作のプロデューサーが浅野の才能を大絶賛し、彼のアドリブから生まれたセリフの裏側を明かしている。
インタビューでは、プロデューサーのジャスティン・マークス&レイチェル・コンドウに対し、「浅野忠信は藪重役で大人気となりました。彼がこの役にもたらしたものは何ですか?」との質問が。マークスは、本作において「浅野忠信のような役者の話をすることにワクワクする」といい、その理由として「なぜこの番組を日本語でやる必要があったのかを正確に物語っているから」とコメント。浅野を「ダイナミックな力を持つ役者」と表現し、次のように語った。
「すべてのシーンにおいて、彼はある意味、横道にそれていくんです。どのシーンでも、今日は何が出てくるんだろう?彼はどの瞬間にニュアンスやひねり、アドリブ要素を見つけるんだろう?と感じていました。」
そして「お気に入りの場面」として、第2話のワンシーンを挙げたマークス。日本語で「かたじけない」と礼を言うブラックソーン/按針(コズモ・ジャーヴィス)を見て、藪重が「こいつは賢い犬じゃのう」と述べ、彼に「おらは犬じゃ」と言わせるシーンだ。
「僕たちはそのシーンを執筆しましたが、彼(浅野)はブラックソーンの肩を軽く叩いて“かたじけない”の言い方を教えるだけだったと思います。ブラックソーンの言い方が、あまり上手ではなかったので。
しかし彼は、“違うセリフを試してみてもいいですか?”と尋ね、代わりにブラックソーンに向かって “おらは犬じゃ。言ってみろ。おらは犬じゃ” と言い始めたんです。そしてコズモ(・ジャーヴィス)は、このゲームに完全に乗りました。これによって、(日本語からの)翻訳で失われることのない、魔法の瞬間へと変化したのです。」
浅野の見事なアドリブに、インタビュアーも「あれは即興だったんですか?信じられない」と驚きのコメント。マークスは「完全にアドリブでした」と強調し、近藤は「コズモにシリーズ全体でお気に入りのセリフを聞くと、“おらは犬じゃ”と答えますよ」と語っているが、実際にジャーヴィスはTHE RIVERの来日単独インタビューでお気に入りのセリフを尋ねられ、その通りに答えている。
Source:Variety