「SHOGUN 将軍」藤役 穂志もえか、シーズン2続投へ意欲を語る「真田さんを手伝いたい」

「SHOGUN 将軍」出演後、日本での俳優活動も盛んに行なっているが、再び海外の作品に挑戦するつもりはあるだろうか。日本と海外、活動のバランスについて尋ねると、穂志は「それが、難しいんです」と実感を話す。
「この間も、突然アメリカのエージェントから“9〜11月のスケジュールを教えて”と連絡があって。すぐじゃないですか!無理ですよ、って。
日本のアクターが海外を目指す時に、まず障壁になるのはスケジュールの問題と聞いていたんですが、それをまざまざと突きつけられた感じ。今度、浅野さんに相談しようかなと思ってるんですけど。どうにか両方やっていきたいという気持ちはあります。」
世界的な活躍も見込まれるが、海外に拠点を移す、という検討をしたことはある?
「今のところはないのですが、ふとタイミングが来て、パンと弾けることがあるので(笑)。事務所を抜けたのもそうだったんですけど。真田さんやLAで活動しているアクターの方達のライフスタイルを見て、健康的でいいなぁと思ったりしました。。そういう思いが重なって、いつか向こうに出張する時期が来る……かもしれませんが、今のところはわかりません。そんなに甘い世界じゃないですし、行ったからって仕事があるわけでもないですからね。」

もしも世界に飛び出したら、穂志には一緒に仕事をしたい憧れのフィルムメーカーがたくさんいる。「ヨーロッパで言うと、アリーチェ・ロルヴァケル。『墓泥棒と失われた女神』(2023)や『幸福なラザロ』(2018)を撮っているイタリアの監督で、すごく気になっています。韓国だとイ・チャンドン。アメリカではたくさんいますが、ジョーダン・ピールやヨルゴス・ランティモス、ラース・フォン・トリアーが気になります」。一筋縄ではいかない作品が好みのようだ。「そうかもしれない。哲学的な要素が入っているのが好きなのかもしれないですね」。
最近はマーベル・スタジオ作品も追っている。前回の取材時、向里がマーベル作品の魅力を熱弁していたのだ。その後、向里から「MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)作品の観る順番リスト」が送られてきたといい、今では毎日のようにMCUを観進めている。
「まだまだ途中なんですけど」という穂志に、どの辺まで観ましたか、と聞いてみると、「えっと、対立しちゃってる!」
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』?
「そう!アイアンマンとキャプテン・アメリカが対立するやつ!」
お気に入りの作品やヒーローを聞いてみると、「『アントマン』は馬鹿馬鹿しくて面白いし、ホークアイも好きです。カッコいい」と笑顔。「あと、バッキー!」
ちなみに、「SHOGUN 将軍」で共演した平岳大も2025年2月公開の最新作『キャプテン・アメリカ/ブレイブ・ニュー・ワールド』に日本の首相役で出演する。「え!そうなんですか」と驚いた穂志だが、浅野忠信、真田広之、そして平岳大がマーベル映画への道を切り開いてくれたのだから、いつか彼女が出演する未来も決して夢ではない。
そんな将来を思い描けるようになったのも、「SHOGUN 将軍」での世界的なブレイクのおかげだ。改めて、「SHOGUN 将軍」を通じて今も心に残っている風景を尋ねてみた。「たくさんあります。プライベートと仕事の両方、全部いい思い出がいっぱいあって……」と、撮影の日々に思いを馳せる。
「私生活では、バンクーバーの豊かな自然にはすごく救われました。『SHOGUN』とは関係のない日本人の友達も、現地でできて、今も仲良くしている人がいます。プライベートで真田さんと話したことも思い出です。それから仲良くなったドライバーさんとの時間。現場を行き来する往復2時間、1日の中でその人とだけの空間になる。そういう時間もすごく特別でした。
現場での監督とのやりとりも面白かったですね。みんなが穏やかに自分の仕事に集中している。私の周りでは怒号みたいなものが聞こえたこともなく、本当に素敵な現場でした。
カナダも思い出深いですが、アメリカも。現地でエージェントとマネージャーを見つけられたということもあるのですが、もう一つの居場所ができたような気持ちです。行けば真田さんもいるし。『SHOGUN 将軍』を機に、救いのような場所を見つけたなと、世界が広がったように感じています。」
9月16日(日本時間)に米ピーコック・シアターで開催されたエミー賞授賞式にも出席。会場には世界中から一流の俳優らが集結するはず。刺激的な出会いもあるはずだ。「どんなことが待ち受けているのか、ドキドキです」と、輝くような笑顔を見せた穂志。「エミー賞の後も、また取材してください!現地でのお土産話、用意しておきます!」

「SHOGUN 将軍」はディズニープラスで配信中。
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