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『スパイダーバース』続編は『エブエブ』と『帝国の逆襲』が融合したような映画? ─ 5つのマルチバース大横断

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース (パート1)
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いまや、ハリウッド映画は前代未聞のマルチバース時代。マーベル・シネマティック・ユニバースは『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)で、DC映画は『ザ・フラッシュ』でマルチバースを本格導入し、「エブエブ」ことA24製作のマルチバース映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』はアカデミー賞で7冠に輝いた。

そんな中、いち早くマルチバースの扉を開いていた『スパイダーマン:スパイダーバース』(2018)が帰ってくる。続編映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は、タイトルの通り、スパイダーマン/マイルス・モラレスがマルチバースを渡り歩く物語だ。

脚本・製作のクリス・ミラーは、期せずして「『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と僕たちの映画はよく似ています」と英Empireにて告白している。「スペクタクル、アクション、とんでもないビジュアル。心に刺さるエモーショナルな物語に焦点を合わせるところも」。

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本作にはマイルスやグウェン・ステイシー、ピーター・B・パーカーのほか、新たにスパイダーマン2099、スパイダーパンク、スパイダーウーマンら無数のスパイディが参戦。グウェンのいるアース65、インドを基にした新次元・ムンバッタン、スパイダーマン2099の故郷ヌエバ・ヨーク、スパイダーパンクの暮らすニュー・ロンドン、そして謎に包まれた世界という“5つのユニバース”を股にかける物語になるという。

監督のひとり、ホアキン・ドス・サントスは「どの世界もしっかり濃い。本質的に5本の映画をひとつに詰め込んだような作品です」と豪語する。ミラーも「かつてないものを見せる、それが観客との約束」だと語り、さらにマイルス役のシャメイク・ムーアも「前作以上のストーリー。空までしか飛べないのが前作だったとしたら、今回は空を地面にして火星を目指します」と独特の比喩で作品を表現した。

その口ぶりたるや、もはや製作陣の目標が単なる前作超えでないことは明らかだ。映画賞を席巻した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』が比較対象になるのも必然だろう。しかし、ミラーはもうひとつ気になるコメントを残してもいる。

「『アクロス・ザ・スパイダーバース』を観た人たちから、これは『スパイダーバース』版の『帝国の逆襲』だと言われます。確かに、新しい世界を提示し、3作目で完結するエモーショナルなストーリーもある。そう、この映画は僕たちなりの『帝国の逆襲』でもあるんですよ。」

映画『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』は2023年、『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』も2024年公開。

Sources: Empire(1, 2, 3

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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