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【ネタバレ解説】『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ニック・フューリー、いつから◯◯◯◯◯◯◯◯◯ ─ 最大の謎が誕生するまで、張り巡らされた伏線

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
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この記事には、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』のネタバレが含まれています。すでに作品を鑑賞された方向けの内容となりますのでご注意下さい。なお、このページをSNSにてシェア頂く際は、記事内容に触れないようお願い致します。


サプライズ誕生のきっかけ、緻密な伏線

“ニック・フューリーが実はスクラル人の化けた姿だった”。公開前、ワッツ監督は「いまだかつてない、必死なフューリーが見られます」と語っていたが、蓋を開ければフューリー本人ですらなかったという異常事態である。では、このサプライズはどのように着想されたのだろうか?

きっかけは、本作でクエンティン・ベック/ミステリオがフューリーをまんまと騙しきってしまうという展開だった。監督には「どうやってミステリオはニック・フューリーを騙したんだろう?」という疑問があったのである

「だって、フューリーのスーパーパワーは“疑り深いこと”ですから。そうでしょう? どんなストーリーを描きたいかということと同時に、5年間姿を消して、全力を発揮できずにいるフューリーなら騙されてしまうこともあるのかな、ということに興味がありました。そこで、まだ答えの出ていない疑問を解消できる、ちょっとしたどんでん返しを最後に入れようと思ったんです。詐欺師についての映画ですから、全てが少し違って見える、小さなツイストを最後に入れるのがふさわしい。」

また、ワッツ監督が「詐欺師についての映画、脚本家のクリス・マッケナが「錯覚尽くしの映画」だと形容する本作の課題は「どれだけ多くの錯覚を(映画の中で)成功させられるか」だった。ミステリオの大がかりなハッタリに並んで、フューリーが偽者だという仕掛けもストーリーを構成する大切なウソや錯覚の一種だったのだ。さらにワッツ監督いわく、本作には「誰にだって休暇は必要」というテーマもあった。フューリーの正体がタロスで、本物のフューリーがのんびり過ごしているという種明かしも筋が通っていたのである。

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム

Colliderにて、ワッツ監督は「すべてをもう一度見直したくなるでしょう」とほくそ笑んだ。「本当はニックとマリアではなかったのだと分かれば、映画をまったく違った形で楽しめると思います。二人の発言すべてが別の意味に聞こえてきますよ」。ケヴィン社長も、米Fandangoにて「ワッツ監督はイースターエッグを仕掛けるのが本当にうまい」と賞賛した。

「映画の前半で、フューリーはピーターに、地球のことを“我々の世界”ではなく“君たちの世界”と言っているんです。一回目は見逃してしまいますが、二回目だと何が起こるか分かっているぶん、彼らの様子を見るのが面白くなります。」

劇中には、フューリーが唐突に「クリー人の工作員」なる存在に言及する場面もある。『キャプテン・マーベル』でクリー人とスクラル人の確執が描かれたほか、そもそもクリー/スクラル戦争はコミックの重要エピソードゆえに聞き逃せないが、これもケヴィン社長によると「散りばめられたイースターエッグのひとつ。マリアやフューリーがどこか変だということを示唆するもの」。ただし、これが今後も単なるイースターエッグにすぎないのか、それともMCUの今後に通じる伏線に転じるものなのかは分からない。

なおワッツ監督は、本作にはカットされた伏線も存在することを明かしている。『キャプテン・マーベル』(2019)で、フューリーは自分がスクラル人ではないことを証明する情報として「三角トーストは食べられない」と話していたが、これを逆手に取って、本作では「フューリーに三角トーストを食べさせようとしていた」というのだ。なぜ削除されたのかは不明だが、監督は「(採用していたら)バレていたと思いますね」とも述べている。

映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』は2019年6月28日(金)より世界最速公開中

『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』公式サイト:http://www.spiderman-movie.jp/

Sources: ComicBook.com(1, 2), Collider, IndieWire, Fandango, SR

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。ビリー・アイリッシュのライブに行きたい。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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