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『スパイダーマン』グリーン・ゴブリン役ウィレム・デフォー、サム・ライミ版のマスク批判「知っている」 ─ 『ノー・ウェイ・ホーム』に意見反映か

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』には、過去のスパイダーマン映画から懐かしのヴィランたちが再登場する。記念すべき実写映画版第1作、サム・ライミ監督『スパイダーマン』(2002)のグリーン・ゴブリンもそのひとり。演じるウィレム・デフォーは、当時の“マスク批判”を認識していたことを認めている。

The New York Timesにて、ウィレムは「正直に言うと、オリジナル版のマスクに批判があったことは知っています。おそらくは少し変えるべきだという心遣いだと思いますが、そういう声をたくさん聞きました」と語った。ライミ版『スパイダーマン』のグリーン・ゴブリンは、目や口まで完全に覆われたマスクを装着してスパイダーマンの前に登場。ウィレムの演技が見えづらいこと、実写化にあたってリアリティが損なわれてしまうことへの批判があったのである。

きっとウィレムのみならず、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の製作陣も“マスク批判”のことは十分認識していたのだろう。再登場するグリーン・ゴブリンは、もちろんマスクを付けても出現するが、きちんとウィレム自身の(もっと言えばノーマン・オズボーンとしての)表情もきちんと見せてくれる。当時の批判が約20年越しに反映されたと見ることもできそうだ。

しかし演じたウィレム自身は、この批判にはさほどしっくり来ていない模様。「僕は顔で演技をしているとは思っていないから、(批判を)その通りだとは思わないけど。顔には心が表れるもので、それは自分が感じることの表現でしかない」という言葉には、さまざまに変化する表情の演技で観る者を驚かせ、ときには“怪演”とも称されてきたウィレムの、俳優としての率直な考えを垣間見ることができる。

ところで約20年ぶりにグリーン・ゴブリンを演じたウィレムは、コスチューム面の大幅なな改善に感心したことを以前明かしていた。いわく、今回の衣裳は「(第1作より)ずっと着心地がよくなった」そうで、演技やアクションの上でも「動きやすくなって、いろんなことができる」仕上がりとのこと。ウィレム個人としてはマスクの有無よりも、むしろ衣裳の技術革新に演技を支えられたところがあったのかもしれない。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は2022年1月7日(金)より公開中。

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Source: The New York Times

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。