【インタビュー】『スパイダーマン:スパイダーバース』日本人アニメーター 若杉遼 ─ ヒーロー映画の新たなる傑作、誕生の舞台裏


また本作では、モーションブラー(編注:動いているものを撮影した時に生じるブレのこと。CGの場合、通常は計算によって描かれる)についても「ひとつひとつ、アニメーターが全て描いている」とのこと。若杉氏も「ほかのプロジェクトや映画では経験したことがなく、工夫が必要で大変でしたが、楽しかったポイントでもあります」と語っている。
「顔のシワなども全てアニメーターが手付けで表現しています。笑った時にシワが大きくなったり、シワの数が増えたり。アニメーションの一コマ一コマで、コミックのような表現を作るには欠かせない部分だったと思います。喋る時には口の動きによってシワも動いたり、笑った時には目尻のシワが生まれたり、かなり緻密な作業でした。」
ところで気になるのは、若杉氏自身が製作上で特にこだわったポイントだ。すると若杉氏は「どんなショットも映画のものだと思うので、ある意味で自分の手垢は残したくないんです(笑)」と前置きしつつ、自身の信条とこだわりを少しだけ明かしてくれた。
「アニメーションでは一番大事なのは、アニメーターの演出で、お客さんに対して“何を伝えられたのか”、そして“どれだけわかりやすく伝えられたのか”だと思っているんです。そういう意味では、グウェンのアニメーションや動きでは“かっこよさとしなやかさを備えた女の子”といった部分をきちんと考えましたね。」

待望のブルーレイ&DVDリリースにあたっては、『スパイダーマン:スパイダーバース』の作り込まれた細部までをじっくりと楽しむことができる。製作総指揮のフィル&クリスもアニメーションの完成度や作り込みには自信を示しており、早くから“コマ送り推奨”を宣言していたほど。若杉氏も「モーションブラーや細かいシワの動きまで、一つ一つをぜひ見て欲しいと思います」と述べている。
ちなみにブルーレイの注目ポイントといえば特典映像だが、本作にも未公開シーンやメイキング映像、解説などが多数収録されている。若杉氏いわく、「削除されたシーンも収録されているみたいなので、そのあたりも見てもらえたらうれしいです。僕の関わったところでも、本編ではカットされたショットもあるので(笑)」。映画のオモテもウラも、細かいところまでじっくりと楽しんで!
映画『スパイダーマン:スパイダーバース』ブルーレイ&DVDは、2019年8月7日(水)発売・レンタル開始。6月26日(水)よりデジタル先行配信。
■プレミアム・エディション【初回生産限定】 9,200円+税
■ブルーレイ&DVDセット【初回生産限定】 4,743円+税
■4K ULTRA HD&ブルーレイセット【初回生産限定】 6,800円+税
■IN 3D【初回生産限定】 5,695円+税
公式ホームページ:http://www.spider-verse.jp/site/
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