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内閣初、ハリウッド映画をロケ誘致『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』発表 ─ 日本撮影の制度改善を政府として

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』製作発表会見

2020年の後半に公開となる本作の見どころについてロベルト監督は、日本を忠実に描くことだと力説する。「アメリカや世界中の観客に、これまでのメインストリームに現れていなかったシネマの側面を見せられるのが嬉しい。チャンバラ、カーアクション、日本の文化発祥の、日本映画の要素ですね。ヤクザや任侠の要素も入れるつもり。日本的な要素を正しく取り入れますので、とても特別な映画になるでしょう。見た目的にも雰囲気的にも、これまで見たことのないものになるはずです。」

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』製作発表会見

主人公スネークアイズを演じるヘンリー・ゴールディングは、謎に包まれたこのキャラクターについて「史上最も認知度の高いキャラクターのひとりだと思います。しかし、そのマスクの下の素性は謎に包まれていました。スネークアイズはこれまで、武器として、動かないオブジェクトとして見られていました。彼は目を見ただけで、相手の過去、未来、その向こうの性格が分かる。今回はそんな彼の序章に戻り、いかにしてこの素晴らしいキャラクターとなったのか、その過程を辿ります」と熱弁する。

普段は主にイギリスで活動する日本人女優の安部春香にとって、本作はルーツである日本に戻っての撮影となった。安部は「海外で活動している日本人俳優としては、いつか日本でお仕事したいとずっと夢見てきたので、」と話した後、以降は英語で想いを語った。「故郷に戻ること、夢が叶う思いです。それも、このような素晴らしいプロジェクトと、素晴らしいキャストとクルーと共に。役柄もとても面白くて、夢が叶いました。」

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』製作発表会見

日系俳優の小路アンドリューはストームシャドー役について「どんな役でも、自分の元に来る際に理由はあると思います。僕は半分日本人ですが、自分の12年の職歴の中で日本人の役は演じたことがないんです。だから、すごく興味深い経験だと思いますし、自分の伝統と文化を学ぶことが出来ると思っています」と、自らのルーツに重ねるようにして語った。

『関ヶ原』(2017)など、日本の映画・ドラマでも活躍する平岳大はケンタという役名での出演。「45歳になって初めてアクション映画に出るとは思わなかった」と笑う。「一ヶ月半くらい皆で汗流して稽古して。本番撮影が始まっても、セットとか衣装とか、どのセット行っても、すごいの建てたなっていう、スケールの大きさはやっぱり凄いですね。準備にも美術にも、皆のエネルギーが籠もっているという感じがします。」

『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』製作発表会見

『ザ・レイド』(2011)などアクション映画ファンにはお馴染み、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)カンジクラブのメンバーとしても知られるマーシャルアーツの達人、イコ・ウワイスもハードマスター役で参戦。「僕は10歳の頃からマーシャルアーツを続けています。祖父はシラットというインドネシアのマーシャルアーツの達人でした。」今作でのアクションは、谷垣健治の持つ日本的アクションとの融合により、唯一無二のものになると予告した。

その谷垣健治といえば、実写版『るろうに剣心』シリーズなど革新的な殺陣で日本映画の常識を覆したスタント・コーディネーター/アクション監督だ。「すごいと思いますよ」と自信たっぷりの笑みを浮かべる。

「アクションで何が楽しいか、というより、僕らはいつもストーリーとキャラクターに基づいて(殺陣を)作るので、その点ではロバート監督。彼がね、日本映画めっちゃ詳しいんですよ。だから僕が逆に日本映画を新たに見直した旅だったというか。(2019年)4月にお会いして、それで8月からバンクーバーで僕らは準備をして、撮影もしていたんですけども。もう色んな映画のリストを見せてもらって、“この映画がいい、この映画がいい”って、あっ、これか、これか、って全部僕は勉強して(笑)。

今回は日本の面白い武器がいっぱいあるんですよ。スネークアイズにはスネークアイズの刀があるし、それからアキコは、これロバートが考えたんですけど、スティックなんだけどそれがまた色々、商品化したらむっちゃ皆買いそうなものがあったりとか(笑)、それからアンドリューのストームシャドーはダブルソードとか、イコ(ハードマスター)はシラットを使って、むっちゃ速いんですよ、手技が。それで平さんは平さんでね、またすごい派手な刀があるんですよ。それを見てるだけでも楽しいと思いますし、それぞれのキャラクターに基づいたアクションになってると思います。刀だけのアクションもいっぱいある。車でのアクションにもいっぱいあると思います。色々な要素が全部入ってるのが『G.I.ジョー』シリーズだと思うので。それが今回も見せ場になるかなと。」

ロバート監督とのやり取りで、どんな日本映画を見直したのかと聞かれると谷垣は「三隅研次監督の作品だとか、それから一昨日はね、」と答えて、ロバートに「あの映画はなんでしたっけ」と尋ねる。監督は「Ikehira, The Trail of Blood」3部作と紹介したが、どうやら池広一夫監督『無宿人御子神の丈吉』シリーズの『牙は引き裂いた』(1972)、『川風は過去に流された』(1972)、『黄昏に閃光が飛んだ』(1973)を指すようだ。「僕も観たことがなくて。絶対に参考になるから!ということで」と谷垣。「『十三人の刺客』とかも見直してね。それ(日本映画)をまた発掘して、アメリカ映画というフィールドの中で表現できるっていうのが面白いと思います。

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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