ザック・スナイダー新作短編『スノー・スチーム・アイアン』配信開始!セリフなしの約4分、全編iPhone撮影でも「ザック節」炸裂!

映画監督ザック・スナイダーが手がけた新作短編映画『スノー・スチーム・アイアン(原題:Snow Steam Iron)』の配信がスタートした。
アメリカのSNSサービス「Vero」に開設されたザックのアカウントで公開されている本作は、セリフなしで展開する約4分の映像作品だ。日本からでもアカウントを作成すればアプリですぐに観ることができる。なんと全編iPhone撮影、しかしそうとは思わせないほどの“ザック節”をお手元のスマホで堪能しよう。
『スノー・スチーム・アイアン』シノプシス
雪(SNOW)、蒸気(STEAM)、鉄(IRON)。雪は季節はずれの汚れたニューヨーク、血に染まった通りで穏やかに降る。蒸気は狭い路地に広がる闇を覆い隠す。鉄は人間の意思なのだ……あえて抵抗し、戦い、生き延びようとする者の。
What can you do with your talented friends & family, no money and a weekend? #SnowSteamIron #ShortFilm #ComingSoon pic.twitter.com/vVSEVftjT4
— Zack Snyder (@ZackSnyder) 2017年9月8日
#SnowSteamIron #ShortFilm #ComingSoon #VEROBrandAmbassador pic.twitter.com/MP702KNPs7
— Zack Snyder (@ZackSnyder) 2017年9月11日
2017年4月、娘の死の直後に製作
2017年5月、ザックは愛娘の自殺を受けて、監督を務めていた映画『ジャスティス・リーグ』(2017年11月23日公開)を途中降板した。その後を引き継いで作品を仕上げる役目を担ったのは、『アベンジャーズ』(2012)のジョス・ウェドン。休養のためプロジェクトを離脱したザックは、実はそれ以前に本作『スノー・スチーム・アイアン』を撮り終えていたのである。
米WIRED誌に語ったところによると、本作を製作するきっかけになったのは愛娘の死にほかならなかったようだ。当時のザックは、自分の周囲に家族や友人の存在が必要だと考えていたという。
「変なやり方ですが、私たちのみんなにとって(この映画を作ることは)心を浄化することでした。みんなが集まるためには、話をするよりも映画を作るほうが簡単だったんです。想像される通り、私たちの周りには重い空気が漂っていました。でもこの映画が、良いかたちでお互いを一緒にいさせてくれたんです。」
この言葉通り、『スノー・スチーム・アイアン』を作るためにザックの家族と友人は一丸となった。メイクアップ・アーティストである娘のウィロウが参加し、息子のイーライは大学の友人をアシスタントとして連れてきたのだ。主演を務めたのは『ワンダーウーマン』でアマゾン族の戦士を演じたサマンサ・ジョーだった。本編は2017年4月の最後の週末に、ザックのオフィスが入っているロサンゼルスのワーナー・ブラザース社周辺で撮影されたという。
またザックが本作を撮ろうと考えたのは、母校のアートセンター・カレッジ・オブ・デザインにて“携帯電話で映画を撮る”という授業を計画していたからでもあった。まずは自分が実践する、という意味もこめて本作は全編iPhoneで撮影されているのだ(ただしレンズをはじめとした撮影器具は複数使用されている)。なおWIRED誌のウェブサイトでは、撮影風景を収めた写真を見ることができる。
Zack Snyder has been quietly making a short film he shot entirely on an iPhone https://t.co/AVC74hkx8E
— WIRED (@WIRED) 2017年9月19日
『スノー・スチーム・アイアン』では、警官から理不尽な暴力を受けた女性が武器を手にして復讐するまでの様子が描かれている。約4分という短い時間にもかかわらず、そこには映画監督ザック・スナイダーの色彩を抑えた映像美、暴力描写とスローモーション、そして女性を撮る視線からにじみ出るフェティシズムがきちんと詰まっているのだ。大作映画ではない、ごく小規模に配信する作品であるがゆえにその純度は極めて高いといっていいだろう。
現在、ザックはDCエクステンデッド・ユニバース作品のいくつかに製作総指揮として携わりながら、新作映画『ザ・ラスト・フォトグラフ(原題:The Last Photograph)』の準備を進めているという。また小説家アイン・ランドが1943年に著した小説『水源』の映画化企画があり、その脚本作業も行われているということだ。ちなみに製作を降板した『ジャスティス・リーグ』に再び関わることはないという。
短編映画『スノー・スチーム・アイアン』は米SNSサービス「Vero」のザック・スナイダー公式アカウントにて配信中。
なおアプリはApple Store、Google Playよりダウンロードすることができ、日本語にも対応している。
Sources: https://www.vero.co/discover/zacksnyder
https://www.wired.com/story/zack-snyder-new-iphone-movie/
Eyecatch Image: https://twitter.com/ZackSnyder/status/906180159144726528