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『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カット、「スナイダーバース」宣言 ─ DC映画ユニバースから「独自の道」へ

ジャスティス・リーグ
© JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements are trademarks of and © DC Comics. © 2017 Warner Bros. Entertainment Inc. and RatPac-Dune Entertainment LLC. All rights reserved.

DC映画ユニバース、ついに分岐する……? 映画『ジャスティス・リーグ』(2017)の「スナイダー・カット」(原題:Zack Snyder’s Justice League)を製作中のザック・スナイダー監督が、いよいよ“スナイダーバース”宣言だ。このたび監督は、本作が既存のユニバースから独立した趣向となることを明かした。

もともとザック・スナイダーといえば、『マン・オブ・スティール』(2013)を手がけてDC映画ユニバースの開幕を担い、その後も監督やプロデューサーとしてユニバースの発展に寄与してきた人物。『ジャスティス・リーグ』は本来ならば一連の構想の到達点となるはずだったが、スナイダーが製作途中に降板したのち、作品は大幅に変更された。

『ジャスティス・リーグ』スナイダー・カットは、そんな同作の劇場公開から約3年を経て、監督による当初のビジョンを実現させる企画だ。しかしスナイダー自身は、いまや「独自の道を行っている」「DCシネマティック・ユニバースの連続性からは切り離されている」と米Beyond The Trailerにて語った。

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「(スナイダー・カットは)ある意味で(既存のユニバースから)分岐しているように思いますし、それが良いんです。DCの強み、長所のひとつはマルチバースというコンセプト。フィルムメーカーありきで、“あなたの考えていることを聞かせてほしい”と言ってもらえるんです。キャラクターを選び、どんなことができるのかを示してほしいと。コミックの世界にも、最高のキャラクターでそういうことが続けられてきたという素晴らしい伝統があります。」

実際のところ、『ジャスティス・リーグ』ののち、ワーナー・ブラザース/DCコミックスはユニバースを指揮する幹部陣を入れ替え、ユニバースは『アクアマン』(2018)や『シャザム!』(2019)『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』(2020)など新たな方向性へ進んだ。したがって、スナイダーが当初のビジョンに基づけば、それは現在のDC映画ユニバースの方向性とは異なるものになるのだ。

「『ジャスティス・リーグ』ですけど、ある人に“スナイダーバースをやるんだね”と言われたんですよ。つまり、『ジャスティス・リーグ』や『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)、それから『マン・オブ・スティール』の3作品には明らかな連続性があるということ。僕が作ったわけですからね。僕の狙いは、その物語構造を成立させ、物語を継続させることなんです。」

かねてより監督は、スナイダー・カットを「妥協なし」の作品にすると明言し、『バットマン vs スーパーマン』に仕掛けられていた謎を解決することも示唆してきた。自身のビジョンに基づく『ジャスティス・リーグ』を製作することは、同じく自身のビジョンによる“DC映画ユニバース”に再度アプローチするということでもあるのだろう。

Sources: Beyond The Trailer, Cinema Blend

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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