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祝日本代表W杯出場!ワールドカップ気分高まるサッカー映画BEST10

6大会連続でワールドカップ出場を決めてくれたサッカー日本代表、おめでとうございます!

しかし、THE RIVER読者には「ワールドカップのおかげでテレビの洋画劇場が特番になって嫌なんですけど」と、サッカーにはまったく興味ない映画ファンも多いはず。そこで、サッカーの魅力が詰まった映画BEST10をライターの独断で選出。選手の伝記映画からサポーター側の作品、あげくは単に「女の子がかわいい」だけの作品も選んでみました。どうせ4年に1度のお祭りなら、少しでもワールドカップムードに乗っかってみてはどうでしょうか?

10位 ペレ 伝説の誕生(2016 アメリカ)

知らない人はいないサッカーの神様、ペレについての伝記映画です。ブラジルの貧困層に生まれ育ったペレが、家族に反対されながらもやがてプロサッカー選手として名を轟かせていくサクセスストーリーはベタながらも引き込まれてしまいます。

ただ、なんといっても見せ場はペレが世界的に大ブレイクした1958年のワールドッカップでしょう。ペレの伝説のゴールの数々の再現度はかなり高く、サッカーファンには感涙もの。ちなみに、ブラジル独特の個人技のリズム「ジンガ」が発動すると、誰も止められなくなるのがスーパーサイヤ人みたいで面白いです。

リアリティ ★★★
感動度   ★★★★
ガリンシャの立ち位置渋すぎ ★★★★★

9位 勝利への脱出(1981 アメリカ) 

巨匠ジョン・ヒューストン監督晩年の一本。第二次世界大戦の捕虜収容所にて、連合国の捕虜たちとドイツ軍兵士がサッカーの試合を行ったという実話がモデルになっています。ここにもペレが出演していますが、シルヴェスター・スタローン、マイケル・ケイン、マックス・フォン・シドーといったオールスターキャストが最大の見所。

ただし、ハードボイルド映画で有名なヒューストン監督だけあって、スポーツよりも男臭いやりとりに力が入っているような気が…。サッカーの試合を利用して、集団脱走を成功させようとか画策しますし。シルベを試合に出させるために、レギュラーの選手がわざと骨を折るシーンとか、ノリがヤクザ映画になっています。

重厚さ ★★★★★
男臭さ ★★★★★
サッカーの魅力が伝わる度 ★

8位 マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ(1985 スウェーデン) 

80年代から90年代に日本で起こったミニシアターブームとはつまり、ロリ&ショタブームだったんじゃないかと個人的には思っています。ミニシアターが知的な大人の空間として宣伝されていた以上、集まるのは教養あるおじさまとおばさまだったのは必然。結果、わが子や孫でも見るかのように少年少女が主役の映画を見守っていたんじゃないでしょうか。『ニューシネマ・パラダイス』とか。『パリ、テキサス』とか。

中でも、本作に出てくるサッカー少女、サガの破壊力はすごいっす。『ミツバチのささやき』のアナとミニシアター・ロリ2トップを形成だ!

サガたんハアハア ★★★★★
サッカーの予備知識必要度 なし
普通にいい映画だから本当はちゃんと見るべき度 ★★★★★ 

7位 エリックを探して(2009 イギリス・フランス・イタリア・ベルギー・スペイン)

サッカー選手がチョイ役で出るような映画は珍しくありません。『xXx〈トリプルX〉:再起動』(2017)のネイマールとか。ただ、ここまでがっつりと出演して演技をしている作品は珍しいでしょう。

本作は郵便配達をしているさえない中年男性、エリックが主人公。憧れているのは地元マンチェスターで、伝説を残したフランス人選手、エリック・カントナです。すると、ある日からカントナが目の前に現れてアドバイスをくれるように…。重い社会派ドラマばかり作ってきたケン・ローチ監督、初のコメディとしても話題になりました。

カントナの演技 ★★★★
ハートフル度  ★★★★
ケン・ローチっぽさ ★★

6位 ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇-(2011 イギリス) 

ふたたびマンチェスター・ユナイテッド関連の作品をご紹介。サッカー史上最悪の悲劇と呼ばれるミュンヘンの悲劇を扱った、イギリスのテレビ映画です。

1958年、強行日程をこなすために、チャーター機に搭乗していた強豪・マンUの選手とスタッフたち。しかし、離陸に失敗した機体は炎上し、選手8名とスタッフ3名が死亡しました。絶望の中、若手選手ボビー・チャールトンを中心としてチームは再生し、念願のタイトル獲得に向けて動き出します。

チャールトンはクラブのレジェンドとして名前を刻み、マンUがタイトルを獲得すると表彰式で見かけることができます。しかし、あくまでも選手に花を持たせる謙虚な態度に深い人生経験がにじみ出ています。

ボビー・チャールトンの素晴らしさ ★★★★★★★★★★
勉強になる度 ★★★★
予算 ★★

5位 シーズンチケット(2000 イギリス)

『ブラス!』など労働者階級の日常をユーモアまじりに描く手腕に定評があるマーク・ハーマン監督作品。10代の少年2人組が、ニューカッスル・ユナイテッドのシーズンチケットを手に入れるため、奮闘する物語です。

サッカーファン的な見所としては、イングランド史に残る点取り屋、アラン・シアラーの出演でしょう。だけど、なんか嫌な感じのキャラ設定で、少年たちに車をパクられるなどいいとこなし。「よく出演をOKしてくれたな」と思いました。ちなみに、劇中でのシアラーの音楽の趣味はセリーヌ・ディオンとナタリー・インブルーリア。うーん、サッカー選手らしくねえ…。

シアラーの素っ気無さ ★★★★
わんぱくが過ぎる度  ★★★
最後にほっこり    ★★★★

4位 コッホ先生と僕らの革命(2011 ドイツ)

ドイツにサッカーを持ち帰ったといわれるコンラート・コッホを主役にした映画です。1874年、イギリス留学から帰ったコッホは英語教師としてギムナジウムに招かれます。しかし、生徒も先生も英語の大切さを認めようとはしません。そこで、コッホ先生はイギリス文化に親しんでもらうため、授業にサッカーを取り入れ始めます。

さわやかな熱血教師、コッホ先生を『イングロリアス・バスターズ』のダニエル・ブリュールが好演。クライマックスのドイツ対イギリスの少年サッカーには、手に汗握るでしょう。大人の世界ではいさかいを助長させることもあるスポーツですが、本作のように友好の架け橋となってもらいたいところです。 

熱血教師度    ★★★★
子供たちの笑顔  ★★★★★
ボールが痛そう度 ★★★★★

3位 ベッカムに恋して(2002 イギリス)

平成生まれで特にサッカー好きでもないみなさんは「ベッカム」と言われてもピンとこないのでしょうか?元イングランド代表主将だった名選手ですが、甘いルックスからとにかく女子人気がすごかった。2002年の日韓ワールドカップで来日し、人気はピークに。

ただし、ヒロインのジェスは男性としてベッカムに恋しているのではありません。ベッカムのような選手になりたいと願っている女子サッカー選手なのです。ロンドンのインド系家庭に生まれ育ったジェスが、家族の反対にあいながらも選手として成長していく姿がキラキラとまぶしい一本です。若かりしキーラ・ナイトレイのユニフォーム姿もイイ!

ちなみに日韓W杯のイングランドは「勝ってはいたけど塩試合の連続」という印象しかありませんでした。

ヒロインを応援したくなる度 ★★★★★
大人はわかってくれない度  ★★★★
そこまでベッカム関係ない度 ★★★★

2位 マラドーナ(2008 スペイン・フランス)

一本くらいはドキュメンタリーも入れておきたいので、ペレと並んでサッカー史上最高の選手と呼ばれている天才の映画にしました。しかし本作、とにかく「ぶっちゃけ」がすごいです。マラドーナといえば1986年ワールドカップの準々決勝イングランド戦ですが、「神の手(ハンドによる得点)」もさらりと認めたうえで、「イングランドだからこそやってやった」とも取れる爆弾発言を放ちます。スポーツマンシップに反する行為を告白したにもかかわらず、映画はどちらかというとマラドーナに好意的です。

それもそのはず、監督は『アンダーグラウンド』(1995)のエミール・クストリッツァ。反骨精神の作家です。経済的に貧しいアルゼンチンがイングランドに一矢報いたときの中心選手を、英雄視するのも当然でしょう。マラドーナ自らボーカルをとるライブシーンの興奮は尋常ではありません。

ぶっちゃけ度 ★★★★★
反骨精神   ★★★★★
マラドーナの歌唱力 ★★★★

1位 ぼくのプレミアライフ フィーバーピッチ(1997 イギリス) 

ニック・ホーンビィのエッセイを元にした一本。熱狂的なアーセナル(ロンドンのクラブチーム)サポーターである中学校教師、ポールをコリン・ファースが熱演しています。ポールにとって人生の最優先事項はアーセナルの応援。シーズンが始まれば、恋人もそっちのけでスタジアムに駆けつけます。

アーセナル愛以外は理想の人なのに…恋人のサラはポールとの関係に悩み続けます。ポールの姿をいろいろなことに置き換えてみましょう。音楽でも映画でもアニメでもアイドルでもかまいません。あなたは、恋人のためにそれらを捨て去れますか?そして、恋人に「私のために捨ててくれ」と迫れますか?

本作には、人がサッカーに惹かれる全ての理由が詰まっています。2005年にはアメリカで『2番目のキス』として、題材を野球に置き換えてリメイクされました。

サラのストレス ★★★★★
サッカーファンからの共感度 ★★★★★
ポールの優柔不断度 ★★★★

  

「あれがない!」「これがない!」という批判ももちろんあるでしょう。しかし、サッカー観とは十人十色。みんなで「ああだこうだ」言いながら、少しでも読者がワールドカップを楽しみになってくれるよう願っています!

Writer

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石塚 就一就一 石塚

京都在住、農業兼映画ライター。他、映画芸術誌、SPOTTED701誌などで執筆経験アリ。京都で映画のイベントに関わりつつ、執筆業と京野菜作りに勤しんでいます。