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スティーヴン・ソダーバーグ監督、スーパーヒーロー映画に大きな疑問「誰もセックスをしない」

スティーヴン・ソダーバーグ
Photo by nicolas genin https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Steven_Soderbergh_at_the_66th_Mostra.jpg Remixed by THE RIVER

『セックスと嘘とビデオテープ』(1999)や『ローガン・ラッキー』(2017)、『オーシャンズ』シリーズなどで知られるスティーヴン・ソダーバーグ監督が、スーパーヒーロー映画に対して抱いているという大きな疑問を明かした

これまでに、マーティン・スコセッシやリドリー・スコット、ドゥニ・ヴィルヌーヴ、ローランド・エメリッヒといったハリウッドを代表する映画監督たちが、マーベルとDCコミックス作品を代表とするスーパーヒーロー映画をそれぞれの視点から批判してきた。そんな中、米Daily Beastは、「スティーヴン・ソダーバーグ、スーパーヒーロー映画における衝撃的なセックスの欠如を語る」というタイトルの記事を掲載。ソダーバーグ監督に対し、「フランチャイズの大作映画の打診を受けたことはありますか?あなた自身、興味はありますか?」という質問を投げかけている。

「いや、特にありません。私は俗物ではないです。自分が時代遅れに感じているというわけではないですよ。重要なのは、語り手として自分がどのユニバースに対して傾倒しているかということなんです。私の場合、現実的な考えを持ちすぎていて、ニュートンの物理法則が存在しないユニバースに自分を解放することはできません(笑)。そういうことに関しては想像力が欠けているんでしょうね。」

ソダーバーグ監督が引用した“ニュートンの物理法則が存在しないユニバース”が、スーパーヒーロー映画の比喩であることは言わずもがな。そんなソダーバーグ監督は、「かつては純粋なSFに一時的な関心を持っていました」と語る。これは2002年に監督が手掛けた『ソラリス』のことを指しているようだが、それでも監督は「宇宙船で繰り広げられるキャラクターのドラマが中心にありました」と話し、例え非現実的な状況を描いた作品でも、あくまで焦点は登場人物の人間模様に当てられていたことを強調している。

ここでソダーバーグ監督は、スーパーヒーロー映画に抱く疑問を提起する。「時間を歪められたり重力に逆らったり、指からビームを出したりするのに、セックスが全く無いんです。誰もセックスをしないんです!」。確かにスーパーヒーロー映画に性行為シーンが見られないという監督の主張には頷けるところもあり、2021年11月には映画『エターナルズ』がマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で初めて性行為を描いた作品として大きな話題を呼んでいた

これを踏まえた上でソダーバーグ監督は「それ(性行為)が無い世界で(キャラクターの)振る舞い方を伝える方法が分からないんです」と持論を展開している。このほか、スーパーヒーロー映画で曖昧な点として、「誰がお金を払っているのか、誰のために働いているのか、仕事がどうなっていくのか」と3つ列挙。「もしそういうユニバースを経験したいとう人がいるというなら構いません」と、選択肢は観客にあることを明らかにしながらも、「フィルムメーカーとしては、どこから着手すればいいのか分からないんです」と語った。

ちなみに、ソダーバーグ監督が言及した「誰がお金を払っているのか」については、MCUドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」(2021)において重要なテーマの一つだった。スーパーヒーローの経済状況に踏み込んだ該当シーンは、リリース前からマーベル・スタジオ社内でも物議を醸していたという。

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Source: Daily Beast,Variety

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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