スター・ウォーズ『ハン・ソロ』出番カットの俳優、現在の思い明かす「一番悲しいのは、いい仕事ができたこと」
2017年6月、『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフ映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の製作に大きなトラブルが生じていることが報じられた。当時監督を務めていた『LEGO(R) ムービー』(2014)のフィル・ロード&クリス・ミラーが、ルーカスフィルムとの「創造性の違い」を理由にプロジェクトを去ったのである。後任を担うことに決まったのは、ハリウッドの誇る名匠ロン・ハワード監督だった。
撮影の大部分が終了した時点での監督交代は、少なからぬ影響を製作現場にもたらした。『それでも夜は明ける』(2013)、『インヒアレント・ヴァイス』(2014)などに出演する俳優マイケル・ケネス・ウィリアムズは、スケジュールの都合で再撮影への参加が叶わず、出演シーンをすべてカットされることになったのである。代役には、マーベル・シネマティック・ユニバースのヴィジョン役で知られるポール・ベタニーが起用された。
このたび米Entertainment Weekly誌は、マイケル本人に『ハン・ソロ』から出番をカットされた感想を尋ねている。なぜそんな鬼の所業ができるんだ……!
「一番悲しいのは、とてもいい仕事ができたこと」
『ハン・ソロ』からマイケルの出番がカットされた、新たにポールが起用された、という一連の報道がなされた際、そこには事実とは異なる情報が混じっていた。当時、マイケルのキャラクターは存在ごとカットされ、ポールは新たな役柄を演じると伝えられていたが、二人はともに裏社会の権力者であるドライデン・ヴォス役を演じていたという。ただしマイケルが演じていた当時、このキャラクターは“半分人間、半分動物”という設定だったが、ポールの登板後は純粋な人間へと設定が変更されている。
監督の交代が決まった時点で、『ハン・ソロ』におけるマイケルの撮影はほぼ終了していたようだ。ルーカスフィルムから再撮影のオファーが届いた時点で、マイケルはアフリカで別映画の撮影に入っていたのである。やむなくマイケルは、出番をすべてカットしてもらうという道を選ばざるをえなくなってしまう。
「一番悲しかったのは、(『ハン・ソロ』で)とてもいい仕事ができたこと。エミリア・クラーク(キーラ役)やウディ・ハレルソン(ベケット役)、そしてオールデン・エアエンライク(ハン・ソロ役)と一緒に作ったものは素晴らしい出来だったと思っています。一緒に宇宙船に乗って、一緒に最高のシーンを撮りました。本当にいい機会でしたし、本当にいい仕上がりだったんです。世界の皆さんに観てもらえないのが残念ですよ。」
やむなかったこととはいえ、やはり今でもマイケルは『ハン・ソロ』から出番をカットされたことを本当に残念がっているようだ。「人生にはこういうこともある、笑うしかないですよ」と述べた彼は、今回の出来事をこう総括している。
「こんなことが起こる確率って、どれくらいなんでしょうね? いざこうなってしまえば、もう降参するしかありません。縁がなかったんだって。」
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は2018年6月29日より全国ロードショー。遠からず、マイケル・ケネス・ウィリアムズの『スター・ウォーズ』再登板があることを心より祈るばかりである。
Source: http://ew.com/movies/2018/03/06/solo-a-star-wars-story-michael-k-williams-dryden-vos/
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