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ピクサー最新作『ソウル』米予告編、不運な事故で「魂」になった音楽教師は現世に帰れるか ─ 『インサイド・ヘッド』監督、今度は人生と存在理由を問う

ソウル(原題)
© 2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

ディズニー/ピクサーによる新作映画『ソウル(原題:Soul)』の米国版新予告編が公開された。

おなじみピクサーのロゴの手前を落ちていくのは、主人公の音楽教師ジョー・ガードナーの“魂”だ。「ここは…ここはどこ?」「あなた、お名前は?」「僕はジョー。中学校でスクール・バンドを教えてるんだ」。そんなジョーには夢があった。ニューヨークにある伝説のジャズクラブでピアノを弾くことだ。「今日は人生最高の始まりだったんだよ」。ジョーは念願かなって、バンドでの演奏を許される。しかしその矢先、不幸にもマンホールに落ちてしまった。とある女性の魂は、ジョーに「きっと驚かれたでしょうね」と声をかける。

「ちょっと待って、助けて! やり残したことがあるんだ、待ってくれ!」。“その後の世界”へ向かう魂の行列を飛び出したジョーは、再び真っ逆さまに落ちていく。彼が落ちた先には、小さな魂たちが集まっていた。「ここは天国?」「いいえ、“その前の世界”です」。生まれたての魂たちが、地球に向かう前に、それぞれの性格や興味、クセを身につける場所だ。そこで地球行きを嫌がっているのは、魂“22番”である。

ジョーに向かって、22番は「地球のことなら全部知ってる、やりたいことなんてなんにもない」と言い放つ。ジョーは「人生の楽しみを逃しちゃうぞ、ピザを食べるとかさ」。ところが魂となったジョーには、ピザの匂いも、味もわからなければ、食べることもできない。そもそも、何かに触れることすらできないのだ。22番に往復ビンタされたところで、何も感じないらしい。

魂となったジョーは、自分が目指していた音楽の世界を、自分が過ごしていた現世を見つめて感嘆の声を漏らす。そんなジョーに、22番は「これってさ、命を懸ける価値があるほどの人生なの?」と尋ねた。その矢先、ジョーは病室のベッドで眠っている自分の姿を見つける。「あなた、まだ生きてるの?」「帰る手助けをしてほしいんだ」「イヤだよ」「そこに僕がいるんだよ!早く行かなきゃ!」「イヤだ、待って、行きたくない!」。かくして、2つの魂はさらなる旅に出るのだ。

予告編の最後には、“その後の世界”へ向かう魂を数える男が「おかしいぞ」と口にする。「毎日15万1,000の魂が“その後”に向かう。ひとつひとつを数えてるんだが…数が合わなくて」。

ソウル(原題)
© 2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.

本作はニューヨークの路上から宇宙空間までを舞台に、「人生で最も重要な疑問の答えを探す」物語になるとのこと。監督を務めるのは、『インサイド・ヘッド』(2015)で人間の感情や記憶というテーマを掘り下げたピート・ドクター。監督いわく、本作は「なぜ私はここにいるのか、私はどこからやってきたのか、何のためにここにいるのか」を問いかける映画だという。『インサイド・ヘッド』でも見られた、ディズニー映画らしからぬ尖ったアニメーション表現にも注目だ。

主人公ジョーの声優を務めるのは、『ベイビー・ドライバー』(2017)『ジャンゴ 繋がれざる者』(2012)のジェイミー・フォックス。魂“22番”を「アンブレイカブル・キミー・シュミット」(2015-2019)のティナ・フェイ、ドラマーのカーリー役をザ・ルーツのクエストラヴ、ジョーの母親役を『クリード』シリーズのフィリシア・ラシャド、ジョーの“宿敵”ポールを『ブラインドスポッティング』(2018)のデイビード・ディグスが演じる。劇中歌は人気シンガーソングライターのジョン・バティステが提供し、音楽はトレント・レズナーアッティカス・ロスが担当。脚本・共同監督には劇作家・小説家のケンプ・パワーズが抜擢された。

映画『ソウル(原題:Soul)』は2020年6月19日に米国公開予定

こっちも楽しみですね

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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