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【解説】『スパイダーマン:ホームカミング』エンディング後おまけシーンの真意は?今後の展開も示唆

©Marvel Studios 2017. ©2017 CTMG. All Rights Reserved.

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品のお楽しみといえば、エンディング中、そしてエンディング後の”オマケ”シーンだ。本編が終了した後に、今後に繋がる重要な映像が忍んでいることが多く、映画ファンの間では「マーベル映画は最後の最後まで劇場を去ってはいけない」という学びが定番になっている。

もちろん、『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)とてその例外ではない。今作も、エンディングの途中、そしてエンディング終了後に映像が用意されており、どちらも観客を大いに楽しませるものだった。

本記事では、『スパイダーマン:ホームカミング』ミッド・クレジット・シーン、およびポスト・クレジット・シーンの解説をお届けしよう。エンディング部分のネタバレについて供述しているため、当然ながら映画を鑑賞し終えた方のみお楽しみいただければと思う。

【注意】

この記事には、『スパイダーマン:ホームカミング』に関するネタバレ内容が含まれています。

https://youtu.be/Vjt6NEmczYY

償いのバルチャー

スパイダーマンとの戦いに破れ、収監されるバルチャーことエイドリアン・トゥームス。そこで別の囚人にスパイダーマンの正体について迫られたトゥームスだったが、「知っていたらとっくに自分が仕留めている」とかわし、ピーターをかばっていた。Entertainment Weeklyのインタビューにてジョン・ワッツ監督は、このシーンをトゥームスにとって「償いの瞬間」であると説明した。

「カッコいいですよね。償いの瞬間で、ピーターを守ってくれたんです。ピーターも知らぬところでね。彼なりの”サンキュー”なんですよ。」

振り返れば、トゥームスの劇中での行為は全て家族や仲間を守らなければならないという責任感に由来していた。マイケル自身も「彼がある種の被害者であるところに魅力を感じた」語っているように、トゥームスはマーベル・シネマティック・ユニバースに登場した中でも屈指の「共感できる」ヴィランと言えるはずだ。それは、「マイケルは彼のことをヴィランと呼ぼうとしなかった」というワッツ監督の証言にも現れている。このヴィランはただ狂い飛ぶ初老の奇人でなく、ひとりの真人間として、そして娘を愛する父親としてスパイダーマンと戦ったのだ。ワッツ監督はかく語っている。

「ヴィランをただの殺人犯にして、人々を殺させるだけではいけない。最後にはある程度救いがあって、特に家族に関しては信用できるキャラクターでなくてはいけませんでした。だから、最後に償いの瞬間があったのは本当に良かった。」

スパイダーマン:ホームカミング
cMarvel Studios 2017. c2017 CTMG. All Rights Reserved.

スコーピオンの存在と更なる展開

監督がEntertainment Weeklyに向けて更に行った発言は、『スパイダーマン』ヴィランらの更なる展開を示唆するものだった。

「トゥームスは必ず戻ってきますよ。」

我々は、この発言にとある推察を巡らすことができるだろう。かつて『アメイジング・スパイダーマン』シリーズを制作したソニー・ピクチャーズには、バルチャーやドクター・オクトパスなどの人気ヴィランによる悪党チーム『シニスター・シックス』の映画化構想があり、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズ2作のポスト・クレジット・シーンはその展開を匂わせるものだった。(その後、興行収入不振により計画が白紙に戻されてしまったのは、よく知られる通り。)

バルチャーが戻ってくるというのならば、既に2019年7月5日の全米公開が決定している『スパイダーマン:ホームカミング』続編が考えられるだろう。その登場は『シニスター・シックス』構想に近しい形になる可能性もある。『ホームカミング』の最後にトゥームスにスパイダーマンの正体を迫った男(フェリーでの武器取引現場にいた犯罪者の1人)はマック・ガーガンという名で、コミックではスコーピンとして知られている。ファンにわかりやすいよう、劇中でもサソリのタトゥーが入っていた。
バルチャーとスコーピオン、更に何らかのヴィランがチーム・アップしてスパイダーマンを襲うのだとしたら…。ソニー・ピクチャーズは現在『ヴェノム』や『シルバー・アンド・ブラック』といった『スパイダーマン』スピンオフ映画をMCUからは独立したシリーズとして推進していることも伝えられているだけあって、今後の展開の可能性は幅広い。

教材映像を収録するキャプテン・アメリカ

さて、真のお楽しみといえば、エンド・ロールが最後まで流れきったあとのポスト・クレジット・シーンだ。おおよそのMCU作品はここである種の次回予告を兼ねた内容が組まれているため、後続の『マイティ・ソー/バトルロイヤル』や『ブラックパンサー』、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に直接繋がる映像が待っているのかと思いきや…。登場したのは、学校の教材映像の収録に挑むキャプテン・アメリカだった。

これは、監督が多大なインスピレーションを受けたと語る1980年代の青春映画の金字塔『フェリスはある朝突然に』(1986)を彷彿させるもの。(『デッドプール』(2016)では、そっくりそのままパロディしていた。)
近頃のMCU作品は、先述の理由でエンディング後まで気が抜けないものが続いたが、『ホームカミング』はサービス精神に富んだ文字通りの「オマケ映像」と共に終幕するのだった。あのシーンのキャプテン・アメリカの面白いところは…まだ続けるかい?

映画『スパイダーマン:ホームカミング』は2017年8月11日より全国の映画館にて公開中

Source:http://ew.com/movies/2017/07/07/spider-man-homecoming-post-credits-scenes-explained/
http://ew.com/movies/2017/06/29/spider-man-homecoming-michael-keaton-vulture/
http://screenrant.com/spider-man-homecoming-post-credits-scenes-explained-scorpion/
http://screenrant.com/spider-man-homecoming-ferris-bueller/
http://collider.com/michael-keaton-spider-man-homecoming-interview/#vulture
cMarvel Studios 2017. c2017 CTMG. All Rights Reserved.

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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