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『スパイダーマン3』裏話、サンドマン役俳優が振り返る ─ 「ラストにバルチャー登場予定だった」

David Shankbone https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Thomas_Haden_Church_by_David_Shankbone.jpg

現在に続くアメコミ映画ブームの先駆けとなり、今なお深い愛情をもって語り継がれるサム・ライミ監督版シリーズ最終作となったスパイダーマン3』(2007)。シンビオートに毒されたブラック・スパイダーマンや、ヒーロー対ヴィランのチーム・バトルをダイナミックに描いた共闘シーンなど見どころも多い本作で、メイン・ヴィランとして存在感を放っていたのが、フリント・マルコことサンドマンだ。砂状の身体を持つサンドマンは、物理攻撃が通用しないほか、身体を自在に変化させる攻撃でスパイダーマンを苦しめた。加えてピーター・パーカーにとっては、ベンおじさん殺害事件の当事者として深い因縁ある人物で…。

サンドマンを演じた俳優のトーマス・ヘイデン・チャーチが、JoBloのインタビューに登場。『スパイダーマン3』公開から早くも11年が経過した今、当時のエピソードや本作への想いを語っている。

サンドマン役 決定に至るまで 

2004年公開の『サイドウェイ』で、アカデミー助演男優賞にノミネートされるなど話題を集めていたトーマスはある時、サム・ライミ監督はじめ、プロデューサーのローラ・ジスキン、アヴィ・アラッド、そしてケヴィン・ファイギから招集を受けた。この時点では製作陣の中でも『スパイダーマン3』の内容が固まっておらず、いくつかアイデアを出し合う中でトーマスが興味を抱くものを探ろうという、今になって振り返ればやや牧歌的な話し合いを行ったそうだ。

「私はこの世界にはあまり詳しくないのですが、彼らがサンドマンのストーリーを紹介してくれたときに、これは共感できますね、と伝えたんです」と語るトーマスによれば、サンドマンの「完全に誤解された男で、世間には悪人扱いされているけれど、実際は人として純粋な行いを全うしようとしている」点に強く惹かれたという。すると製作陣も「我々も同じことを考えていました」と意気投合、『スパイダーマン3』はトーマス演じるサンドマンをメイン・ヴィランに据えるものとして立ち上がり始めたようだ。

バルチャーがカメオ登場の予定だった

一部ではよく知られているように、幻の続編となった『スパイダーマン4』にはベン・キングズレー演じるバルチャーが登場予定だった。この空飛ぶ危険なヴィランは、時を経て2017年に『スパイダーマン:ホームカミング』でマイケル・キートンによって実写化されるわけであるが、トーマスが改めて語ったところによれば『スパイダーマン3』ラストでバルチャーの存在が示唆される展開が検討されていたという。現在ではお馴染みとなった「次回作の予告をラストでほのめかす」といった手法の先駆けと言えるだろう。

「ごく初期段階では、(『スパイダーマン3』に)バルチャーを登場させていました。一瞬だけ現れて、映画の一番最後にバルチャーを再登場させ、『スパイダーマン4』でメイン・ヴィランになることを示唆する予定だったのです。でも、全部ボツになってしまって。いや、ボツと言うわけではないけど、別案を取ることになりまして。」

ヴェノムについて

ところで『スパイダーマン3』で待望の初実写化を果たしたヴェノムは、2018年12月にトム・ハーディ主演で遂に単独映画化される。原作コミックでヴェノムとなるキャラクターは複数人いるが、トム・ハーディ版ヴェノムも『スパイダーマン3』と同じくエディ・ブロック。先日公開された初の予告編映像では、『スパイダーマン』関連作とは思えぬダークな世界観に期待が高まっている。一方でトーマスは『スパイダーマン3』でトファー・グレイスが演じたエディ・ブロック/ヴェノムを次のように賛える。

「スタジオとしては、私が出て、フランコ(ハリー・オズボーン)のストーリーも続いて、まだもう一人必要だということで、ヴェノムとトファー・グレイスが登場する流れになったんです。それにしてもトファーは素晴らしかったし、ヴェノムも恐ろしいアニマルになりましたよね。キャラクターの進化にスリルを覚えました。」

「どうなるかなんて分からなかったけれど」

サンドマン、ニュー・ゴブリン、そしてヴェノムも登場する『スパイダーマン3』は、クライマックスではスパイダーマン&ニュー・ゴブリン対サンドマン&ヴェノムの2on2バトルが大きな見せ場となったものの、複数のストーリーを詰め込みすぎたために消化不良だとの批判も聞こえた作品だ。一方トーマスは、『スパイダーマン3』への出演に深い感謝の気持ちを表している。

サム・ライミ監督のことは崇拝しています。トビー(・マグワイア)も役者として大好き。『サイドウェイ』(2004、トーマス出演前作)で注目を浴びた直後の作品で、僕に『スパイダーマン』のヴィラン役のオファーを下さったわけです。全員が一丸となっていたところが好きでした。脚本も良かった。(当時)どうなるかなんて分からなかったけど、でもね、とにかく尽くすつもりでしたよ。サンドマンもかなり好きでしたし。彼は、あらゆる”挑戦”を表すキャラクターだと思うんです。それこそ、フリント・マルコに成り切りましたよ。彼が本の中でどう描かれて、どう写されたか、そのものの姿にね。」

トーマスが演じたサンドマンは、ライミ版『スパイダーマン』三部作最大の裏テーマと言える「赦し」の物語を完結させる重要なキャラクター。ラストでは因縁を抱かれていたピーター・パーカーと和解し、砂風となってニューヨークの朝焼けに吹かれて去った。『スパイダーマン3』の日々を振り返るトーマスの言葉も、このラスト・シーンに劣らず温かく爽やかだ。

「ビッグ・チャレンジでした。2年かかりました。2005年1月にオファーを頂いて、2007年の5月にようやく封切りでしたから。私の人生の中でも、良き2年でしたね。

Source:http://www.joblo.com/movie-news/thomas-haden-church-talks-divorce-spider-man-3-a-mystery-comic-book-role-117
Eyecatch Image:David Shankbone

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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