スティーブン・スピルバーグがTVドラマを監督したいと意欲、『リンカーン』シリーズ化も計画していた
『ジョーズ』(1975)『E.T.』(1982)『インディ・ジョーンズ』シリーズなどスティーブン・スピルバーグは数えきれないほどの名作を世に送り出してきた。老若男女問わず観衆をスクリーンに惹きつけてきた最も偉大な映画監督は現在、TVシリーズへの意欲を燃やしていることをPodcast番組出演時に話している。
スピルバーグの名を世に知らしめた『激突!』(1971)は元々TV放映用に製作された作品であり、BBC/HBO製作「バンド・オブ・ブラザース」(2001)ではトム・ハンクスとともに製作総指揮を務めたが、実はこれまでにTVシリーズを監督したことはない。映画を主軸に活躍してきたスピルバーグがTVシリーズに惹かれるようになったのは、HBO MAXのドラマ「メア・オブ・イーストタウン / ある殺人事件の真実」(2021)がきっかけだと言う。
「メア・オブ・イーストタウン」はケイト・ウィンスレット演じる刑事が自身の地元でもあるペンシルバニア州郊外の小さな町で起こった殺人事件を捜査するクライム・スリラー。重厚かつ硬派なタッチとキャスト陣の見事な演技が評価され、第73回エミー賞で三冠を記録している。スピルバーグは「いつか長編シリーズを監督したいんです。誰かが私のところに『メア・オブ・イーストタウン』を持ってきてくれたら、絶対撮ったのに(笑)。あれは美しく撮られた作品でしたよ」と大絶賛。また、自らの監督作品でありダニエル・デイ・ルイスが主演した『リンカーン』(2012)を6時間にわたるミニシリーズにしようと企画していたことも明かした。
「誰も信じてくれないけど…あちこちを訪ねて、全員にフられてしまったんです。HBOと契約して、6時間に拡大する準備はできていました。トニー・クシュナーの初稿は550ページもあったのだから、十分に素材は揃っています。ダニエル・デイ・ルイスが6時間もの作品に応じてくれるかは分からないけど、寸前のところまでいったんですよ。」
2023年3月日本公開となる最新作『フェイブルマンズ』は、映画に心を奪われた1人の少年の成長と夢を追う姿を描くドラマで、スピルバーグ本人の少年自身が投影された作品だ。第80回ゴールデングローブ賞で作品賞と監督賞を受賞し、今後もフロントランナーまっしぐらの本作を鑑賞したら、スピルバーグが今も創作意欲を切らすことなく歩み続けるモチベーションの一旦が垣間見れるのかもしれない。
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Source:Smartless podcast