【レビュー】話題沸騰『ドラゴン×マッハ!』、カンフーとムエタイの競演、魅力的なヴィランを見逃すな

2017年1月7日から公開となった、ウー・ジン、トニー・ジャー主演のアクション映画『ドラゴン×マッハ!』(原題:『殺破狼Ⅱ』)が、連日立見席が出るほどの大盛況だ。カンフーとムエタイが繰り出される驚愕のバトルシーンと、シリアスなドラマパートが話題を呼び、公開直後からSNSなどで絶賛の声が相次いでいる。

現代最強のアクション映画

本作は、ドニー・イェン、サモ・ハンらが出演した『SPL/狼よ静かに死ね』(原題:『殺破狼』)の続編にあたる。とはいうものの、前作に主演したドニー・イェンは本作に出ておらず、またストーリーにも関連性はない。ウー・ジンやサイモン・ヤムが続投しているが、ウー・ジンは主演でありながら前作とは別の配役となっている。このキャストに加え、タイのムエタイ・アクションスターであるトニー・ジャーが、タイの刑務所官チャイ役で、ウー・ジンとのダブル主演を務めている。前作ではドニー・イェンとナイフファイトを見せ、『新少林寺』などでは華麗なカンフーを披露してきたウー・ジンと、『マッハ!』や『ワイルド・スピード SKY MISSION』でアクロバティックなムエタイアクションを見せたジャーがタッグを組んだ、まさに現代最強のアクション映画といえる。

ウー・ジンが演じるのは、潜入捜査官チーキット役だ。ジャー演じるチャイの白血病を患った娘、サーの骨髄ドナーで、臓器売買組織の策略によってタイ刑務所に投獄され、そこでチャイと出会う。序盤ではフェリー乗り場での激しい銃撃戦が、中盤にはチーキット、囚人、刑務官らが入り乱れての大乱闘が勃発し、アクション映画として盛り上げる。一方のチャイは、刑務所が臓器売買に関わっていることを知って苦悩するさなか、娘に余命が迫るというドラマパートを担うキャラクターだ。チーキットとチャイはやがて強い絆で結ばれ、それぞれの正義に覚醒。カンフー・マスターとムエタイ・マスターが組織との最終決戦に挑んでいくのである。

http://www.star2.com/entertainment/movies/movie-news/2015/06/30/spl2-is-a-martial-arts-film-filled-with-fierce-fighting/ (C)2015 SUN ENTERTAINMENT CULTURE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

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ウー・ジン、ジャーが見せる人間離れしたアクションは年を重ねるごとに進化しており、本作の顔合わせはバディものとして最強のタッグではないだろうか。しかし、本作で主演二人の人気を喰う勢いで話題になっているのが、敵役を務めたマックス・チャンだ。

チャンは、タイの刑務所所長でありながら臓器の密売に手を染め、自ら殺人を犯すことも厭わない冷酷な男コーを演じている。スーツ姿に刈りあげた頭髪をしっかりと固めたスタイルで、凍てついた表情を崩すこともない。チャン自身の精悍な顔つきもあり、それだけでビジュアルが成立しているのだが、このコー所長が超強い。スーツを乱すことなく、目にも止まらぬスピードのカンフーで敵対する者を薙ぎ払う姿は圧巻だ。今までのカンフー映画のファッションと言えば、中華圏の道着やジャケットにGパンなど、ラフな格好が当たり前だったが、よもやの全編スーツ姿である。近年『キングスマン』や『007』シリーズなどで闘うスーツ姿の俳優が話題となったが、本作にもその流れは表れている。

http://s1101.photobucket.com/user/acw_world/media/Promotional/Show2015/SPL2/SPL%2023.jpg.html (C)2015 SUN ENTERTAINMENT CULTURE LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

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マックス・チャンは現在43歳。若手とは呼べない年齢かもしれないが、『グランド・マスター』『ゴッド・ギャンブラー レジェンド』、そして本作と確実にキャリアを伸ばし、『イップマン 継承』(4月22日公開)ではドニー・イェンとの対決も控えている。そんな遅咲きのアクション俳優ではあるが、観客からはチャンを絶賛する声が多い。それもそのはず、精悍なルックスに加え、ウー・ジンやトニー・ジャーという格闘映画で活躍する‟マスター”二人を相手に、互角以上の戦いを見せるラストバトルの高揚感はたまらないものがあった。ワイヤーアクションも一部で使われているものの、生身のカンフー・アクションから生み出される肉弾戦は、文字通り至高のアクションの域にまで達している。攻守を同時に繰り出す鮮やかな型や、鋭い蹴り技のつるべ打ちは驚愕の一言だ。もちろん、対するウー・ジンのカンフーとジャーのムエタイも神業のレベルで、三人が繰り広げる戦闘はそのスピードゆえに瞬きすら許されない

しかしながら、本作は現在、東京と大阪の二ヶ所でのみ上映されており、しかも東京の劇場(シネマート新宿)では隔日かつ日に一回の上映となっている。「もったいない!」「もっと増やして」という声も多く、また予想以上の人気を受けて、上映館と上映回数の増加が決定したようなので、気になる人は今後の情報をチェックしてほしい。

『ドラゴン×マッハ!』を観ずして、アクション映画は語れない。

『ローグ・ワン』盲目の戦士チアルート役で話題、ドニー・イェンの超絶アクションがスゴイ!

Eyecatch Image: http://www.martialartsmoviejunkie.com/2015/09/25/spl-ii-a-time-for-consequences-review/
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About the author

映画・映画音楽ライター。愛知県出身。

竜巻映画『ツイスター』で映画に覚醒。映画音楽に魅了されてからはサウンドトラックも買いあさり、映画と映画音楽漬けの日々を送る。

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