うろ覚えさんのための『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ヴィラン復習 ─ これを読んでおけば大丈夫

ドクター・オクトパス(『スパイダーマン2』)

本名はオットー・オクタヴィアス。
1作目でノーマン・オズボーンが死んだ後、オズコープ社は核融合の研究プロジェクトを進めており、息子ハリーがこれを仕切っていた。ハリーはドクター・オクタヴィアスに出資しており、同じ研究テーマを持つピーターもオクタヴィアスに会ってみることになった。
オクタヴィアスは核融合装置の開発を進めている。この装置を見ただけでその大まかな仕組みをスラスラと言うピーターを見て、オクタヴィアスは感心する。オクタヴィアスはこの装置について、ピーターのために一時間半も語って解説してやる。ピーターの方も知的な話題の引き出しがあり、オクタヴィアスはこの勤勉な若者を大いに気に入る。
「知性は特権ではなく預かり物だから、世のために使いなさい」と説くオクタヴィアスは、ピーターにとって理想的な大人だった。「女性を口説くには詩を語れ」と恋愛アドバイスももらったピーターは、これにしたがって早速詩集を読み漁ったほどだ。
どうしてヴィランになった?

核融合装置の実験の日。オクタヴィアスは装置を動かすために必要な人工アームを身体に取り付ける。これはナノワイヤーを神経に直接差し込むことによって、4本の人工アームが意識だけで操作できるようになるというもので、人工知能も搭載している。しかし、核融合装置が暴走し、制御チップが破損してしまったことで、オクタヴィアスの思考は人工アームに乗っ取られてしまう。
4本の人工アームと共に暴れる男は一大ニュースとなり、デイリー・ビューグルによって「ドクター・オクトパス」「ドック・オク」と命名される(ちなみに命名候補には、他に「ドクター・ストレンジ」も挙げられていた)。
ドクター・オクトパスは実験場だった残骸を訪れ、人工アームの思考とひとり対話を始める。もう一度核融合装置を完成させたいと考えたドック・オクは、開発資金を得るために銀行強盗をはたらく。はじめは犯罪だからやるべきではないと躊躇うのだが、核融合装置を完成させない方がよっぽど犯罪だとすぐに考え直し、以降ドック・オクは核融合装置の完成に取り憑かれたヴィランとして街に出現するようになる。
スパイダーマンとどう戦った?

銀行を襲った際、たまたま居合わせたスパイダーマン/ピーター・パーカーと対決。4本のアームを駆使してモノを投げたり、スパイダーマンの体を締め付けて攻撃した。その後はメイおばさんを誘拐する。
駆けつけたスパイダーマンはメイおばさんを保護しつつ、ドック・オクとビルの壁面でもつれ合うような激闘を繰り広げる。この戦いでは、メイおばさんの不意打ちが功を奏し、決着はお預けとなる。
続いてドック・オクは、核融合装置に必要な物質を入手するため、ハリー・オズボーンの元を訪れる。ハリーは前作で、スパイダーマンが自分の父を殺したと誤解しており、スパイダーマンを殺してくれれば要求に応えると提示。いつもスパイダーマンの写真を撮っているピーター・パーカーなら、スパイダーマンの居場所を知っているはずだと伝える。
ドック・オクは、ピーターとMJがお茶してるところに出現し、MJを誘拐する。スパイダーマンはMJ救出のためドック・オクを追い、クモvsタコの再戦が始まる。
スパイダーマンは、凶暴なアームを操るドック・オクに翻弄されながら、市内を走る列車の上で激闘を繰り広げる。ドック・オクは民間人を人質に取ったり、列車のブレーキ装置を破壊して車両を暴走させたりと、ずる賢さも見せる。ピーターは列車の暴走を食い止めるために全力を使ったことで気絶し、その体をドック・オクが誘拐。身柄をハリーに引き渡すと、核融合装置に必要な物質を手に入れ、拘束されたMJの前で独自に実験を再開する。
そこにスパイダーマンが駆けつけ、起動し始めた核融合装置の前で再戦。ドック・オクは電線によって感電して倒れ、事実上スパイダーマンとの戦いに敗れる。
スパイダーマンの正体がピーター・パーカーだといつ知った?
ドック・オクが感電して気絶した頃、核融合装置はいよいよ街を飲み込む直前の危機状況となっていた。これを食い止めるため、ピーター・パーカーはスパイダーマンのマスクを自ら脱ぎ、ドック・オクに正体を明かす。ピーターの顔を見たドック・オクは、一度は「ピーター・パーカーか。“優秀だが怠け者”」と優しい顔を見せるが、すぐにアームの一本がピーターの首を締める。
最後はどうなった?
首を締められたピーターは、かつてオクタヴィアスが言っていた「授かり物は世のために使う」という教えを持ち出す。これによって良心を取り戻したオクタヴィアスは、意志の力によってアームの思考を制御。核制御装置と共に川に沈んでいくのだった。最期の言葉は「怪物のままでは死なんぞ」。
演じている俳優は誰?
アルフレッド・モリーナ。デビュー作は1981年の『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』 。近作では『アナと雪の女王2』(2019)アグナル国王役や『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)など。