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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ネッドがホブゴブリン化する幻の設定画 ─ ネッドは本当にヴィラン堕ちしてしまうのか?

Phil Saunders https://www.artstation.com/artwork/NyBR5P

過去作のスパイダーマンたちが集結した映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、トム・ホランド版ピーター・パーカーの親友ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン)が“ヴィラン堕ち”の片鱗を見せる。善良で、どんな時もピーターを支えたネッドに、一体どんな可能性があるというのか。仮にヴィラン化してしまった時の、幻のコンセプトアートも登場しているのだが……?

『スパイダーマン』ネッド、ホブゴブリンになる可能性

ネッドといえば、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版『スパイダーマン』3部作の第1作『スパイダーマン:ホームカミング』から登場するピーターの友人。オタク仲間でお調子者。ゼンデイヤ演じるMJと共に、スパイダーマンがピーターであるという事実を知る数少ない理解者の一人として、さまざまな戦いを共にした。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

そんなネッド、原作コミックではグリーンゴブリンの模倣犯であるヴィラン、ホブゴブリンの3代目。元々はデイリー・ビューグルの記者だったが、ホブゴブリンに捕まって洗脳されたことで3代目となった。

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この設定から、コミックファンの間では『ホームカミング』の頃から、「ネッドが将来ホブゴブリン化してピーターと禁断の対決を繰り広げるのでは」との推測があった。幸い(?)これは実現しなかったが、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では怪しすぎるフラグを立てている。

別アースのピーター・パーカー(トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールド)と合流したのち、研究室でヴィランたちの解毒薬を開発しながら親睦を深めるシーンでのことだ。暇を持て余し気味のネッドはピーター2(トビー・マグワイア版)に接近し、「あなたにも親友がいる?」と尋ねる。

ピーター2は「いたよ」と、なぜか過去形。「僕の腕の中で死んだ。僕を殺そうとして……辛かった」と衝撃の事実を伝える。驚いたネッドはピーター1(トム・ホランド)の元に戻るも、ぎごちない様子だ。「僕は絶対にヴィランに変身して君を襲ったりしないからね」と、ダチョウ倶楽部並みの“前フリ”をここで行うのである。

サム・ライミ版『スパイダーマン3』親友ハリーのヴィラン化と最期

スパイダーマン3
(C) 2007 Columbia Pictures Industries,Inc.All Rights Reserved.MARVEL,and all Marvel characters including the Spider-Man,Sandman and Venom Characters TM & (C) 2007 Marvel Characters,Inc.All Rights Reserved.

ピーター2の語った話は、もちろん『スパイダーマン3』(2007)での出来事だ。彼の親友ハリー・オズボーン(ジェームズ・フランコ)は、スパイダーマンが父ノーマンを殺害したと誤解しており、蜘蛛男の正体がピーターと知ると友情が崩壊。ニュー・ゴブリンと化して、本気でピーターを殺しにかかろうとする。しかし、シンビオートに寄生され攻撃的になっていたピーターが反撃に出ると、カボチャ爆弾によってハリーの顔面の半分は溶けてしまう。

やがて父の死の真相を知り、かつての善の心を取り戻したハリーは、サンドマン&ヴェノムとの最終決戦に駆けつけてスパイダーマンと共闘。しかし、ヴェノムの攻撃の身代わりを受けて瀕死状態となる。

最期の瞬間には、ピーターと友達であることを互いに確かめ合いながら息を引き取った。ライミ版『スパイダーマン』3部作のテーマである「赦し」の体現者となったひとりだ。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』ネッドがホブゴブリン化する設定画

実は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』製作初期には、本当にネッドがホブゴブリンとなるような展開があったようだ。コンセプトアートを担当したフィル・サンダースが自身のポートフォリオサイトで幻の設定画を掲載している。

Phil Saunders https://www.artstation.com/artwork/NyBR5P

おそらくクライマックスの自由の女神での決戦場面だろう。ネッドが原作コミックのホブゴブリンを彷彿させるオレンジとブルーのパーカーを着用し、ゴブリンのグライダーに乗り、カボチャ爆弾を手にしている。どういうわけか、めちゃくちゃ楽しそうな笑顔を見せている。

このアートの細かい設定は不明だ。悪人になってスパイダーマンたちを襲ったというより、一時的にグリーンゴブリンの装備を奪うような瞬間があり、それがホブゴブリンのように見える、というイースターエッグ的なものだった可能性もある。ちなみに実際の映画で、ネッドはイエローとブルーのスタジアムジャケットを着用。若干、ホブゴブリンらしいカラーリングとなっている。

果たしてネッドはこのコンセプトアートのように、今後の作品でホブゴブリンに変身し、ピーターと望まぬ戦いを繰り広げることになるのだろうか?準備中とされるシリーズ第4作で、おそらくネッドは「スパイダーマン=ピーター・パーカー」という事実を忘却しているだろうから、何かのきっかけでスパイダーマンを付け狙うようになるかもしれない。しかし、あの太っちょでおっとりした善人ネッドが、どうしてヴィランなんかに?というのが気になるところだろう。

なお演じたバタロンのほうも、ホブゴブリンに転じる展開には極めて前向きだ。THE RIVERが行ったインタビューでは、ホブゴブリン役について「超やりたい!」と語り、「原作コミックでもネッドはホブゴブリンになる。劇中で死ぬのはイヤですけど(笑)。でも、いち役者として、個人的には役の幅を出したいんですね」と、悪役を演じる夢を話している。ピーター・パーカーと戦うなんて辛すぎないかと聞くと、「ファンにとっては良いことだと思いますよ」「凄いことだと思います。分断ですよ。引き裂かれるんです。もっと興味深いストーリーになると思います」と笑いながら話したのだった。Badass!

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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