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『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』中国、自由の女神のシーン全カットを要求していた ─ ソニー側は即刻拒否

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
©2021 Columbia Pictures Industries, Inc. and Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names: © & ™ 2022 MARVEL

過去作のスパイダーマンたちがマルチバースを通じて奇跡の共演を果たした『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は世界中のファンに興奮と感動を与えたが、一大市場である中国では実は上映されていない。その背景には、驚くべき事情があったようだ。

この記事には、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』のネタバレが含まれています。

Puckが複数の情報筋から確認したとして伝える情報によると、中国の規制当局は『ノー・ウェイ・ホーム』劇中から、アメリカの自由と民主主義の象徴である自由の女神像が映るシーンを全てカットするように求めたという。

『ノー・ウェイ・ホーム』での自由の女神像といえば、3人の歴代スパイダーマンがヴィランたちとの最終決戦を繰り広げるクライマックスの舞台となるものだ。3人のピーター・パーカーたちはここで互いを鼓舞し合い、一致団結してヴィランに立ち向かっていく。奇跡の三位一体スイングで夜空を舞った後、スパイダーマンたちは女神像の上に揃って着地。『ノー・ウェイ・ホーム』を最も象徴する瞬間であり、劇場では最も大きな歓声があがるようなシーンである。

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
© 2021 Columbia Pictures Industries, Inc. and Marvel Characters, Inc. All Rights Reserved. MARVEL and all related character names: © & ™ 2022 MARVEL

米中関係は緊張状態が続いており、中国側としてはアメリカに賛美的な印象を与えるシーンを省きたかったものと考えられる。伝えられるところでは、ソニー側は当局の要求を「即座に」拒否。すると当局は自由の女神像のカットこそ諦めたものの、妥協案として「トム・ホランドが王冠の上に立つ愛国的なショット」をカットするようソニーに要求したという。ソニーは検討の結果、これを拒否。結果として、『ノー・ウェイ・ホーム』は中国では上映されないこととなった。

ちなみに中国では、最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の上映も禁じられている。確たる理由は明らかになっていないが、同作の予告編映像に、中国共産党に批判的な新聞『The Epoch Times(大紀元時報)』のニューススタンドが映っていたため、中国の親中派の批判を集めていたことが一因ではないかとの声もある。こちらの映像0:25では、タクシーの向かって左側の歩道上に、「大紀元時報」と描かれた黄色いボックスが確認できる(米IMDbが公開したものだが、本編映像の一部であるので未見の方はご注意)。

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Source:Puck

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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