スタン・リー、『スパイダーマン』製作途中のCG映像に「これだけ?」とガッカリしていた ─ でも完成版を観て涙

鬼才サム・ライミがメガホンを取った『スパイダーマン』は20年前となる2002年に公開され、当時としては最先端の映画技術を投入して製作された。ところが、スパイダーマンの生みの親であるスタン・リーは、初めて第1作のCG映像を見てガッカリしたのだという。そこにはちょっとした誤解があったようだ。
米Varietyのインタビューで、ライミ版トリロジーでプロデューサーを務めたアヴィ・アラッドが、シリーズにおけるリーとのお気に入りの思い出を明かしている。
「『スパイダーマン』で最高の瞬間は、スパイダーマンが飛んでいるCGIを初めてスタン・リー氏に見せた時です。彼のことは、自分の叔父のように思っていました。
そうしたら、彼が私の耳元で“これだけ?”と囁いたんです。その時、思いました。彼は、この映像はプレビズだと分かってないんじゃないかと。彼はテクノロジー面にあまり詳しくなかったのでね。すごくガッカリしていて、私も泣きそうになりましたよ!
それで私は、“スタン、今までに世界はこんな映像を見たことがありませんよ”と言ったのですが、彼は“そうなのか、でも全然良く見えない”と言いました。私は彼に、“心配しないでください。きっと素晴らしい映像になりますから”と伝え、とにかく、完成したものを観た時、彼は目に涙を溜めていました。だって、(スパイダーマンは)彼の子ですからね。」
アラッドが言及した“プレビズ(プリビズとも呼ばれる)”とは“プレビジュアライゼーション”の略で、撮影前に映画の複雑なシーンを視覚化する作業のこと。映画ではシーンを視覚化するために絵コンテが描かれるが、SFXやCGIを多用する映画では“動く絵コンテ”とも言える簡易的なくオリティのCGで制作される。よって、リーが目にしてガッカリした映像は試作品のような状態だったわけだ。最初に気落ちした分だけ、完成版を見た時の感動はひとしおだったのではないだろうか。
リーが生み出した『スパイダーマン』のレガシーはライミ監督のトリロジーが完結した後も、米ソニー・ピクチャーズとマーベル・シネマティック・ユニバースによって継承され、今後も拡大していくことが期待されている。もう、“これだけ?”どころではないスケールとなった。
▼ スパイダーマンの記事
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』2人のスパイダーマン登場シーンはネット掲示板で先に予想されていたため急きょ変更されていた ファンアートで同じものが描かれていた 『スパイダーマン』監督、MCU版『ファンタスティック・フォー』降板理由は「燃え尽きていた」から ─ 「なにかを間違えれば、本当に人が死ぬかもしれなかったから」 コロナ禍の『ノー・ウェイ・ホーム』製作で サム・ライミ『スパイダーマン』3部作が本国再上映、『スパイダーマン2.1』4K版が初公開へ 何それめっちゃ観たい 『スパイダーマン』俳優が96歳で死去 ─ ノーマン・オズボーン解雇を宣告する役員 ご冥福をお祈りします。 『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』パニッシャー参戦決定 解説!
Source:Variety
![]() |
スパイダーマンTM トリロジー ブルーレイ コンプリートBOX 価格:¥5,800+税 発売・販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント セルブルーレイ品番:BPBH-1154 |
---|