『アリー/ スター誕生』ブラッドリー・クーパー、地声を低くするため週20時間の発声トレーニング「食道を痛めた」

映画『アリー/ スター誕生』でジャクソン役を渋く演じたブラッドリー・クーパーといえば、『世界にひとつのプレイブック』(2012)や『アメリカン・スナイパー』(2014)での演技ほか、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズや『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)ロケットの声優としてもおなじみだ。特にロケットの声を思い出すと、確かにしゃがれ声ではあったものの、『アリー/ スター誕生』ジャクソンのそれは腹に響くような低音で、音域の違いに驚かされた方も多いのでは。
『アリー/ スター誕生』ジャクソンの声は、実はブラッドリーの天性の声ではなく、この映画のために過酷なトレーニングを耐えて得たものだった。英Entertainment Weeklyに答えている。
「キツかった」トレーニング振り返る
ジャクソンを演じるにあたって、ブラッドリーには「このままでは演じられないと思ったので、全てを変える必要があった」との自覚があったという。世界中を魅了するカントリー歌手を演じるために、「話し声は1オクターブ低くしたかった」と語るブラッドリーは、撮影の1年前からコーチ(ティム・モニック)をつけ、実際のトレーニングは1日4時間、週5日というペースで約半年間励んだという。
ここでブラッドリーに稽古をつけたティム・モニックというトレーナーは、ハリウッドで「声の裏にこの人あり」と呼ばれる人物だ。これまでに手がけたスターは、マット・デイモンやブラッド・ピット、アーノルド・シュワルツェネッガーなど数知れず。発声やアクセントの指導を行うトレーナーで、初仕事は1984年のシュワルツネッガー主演『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』まで遡る。「私の仕事は、役者が違う声やアクセントで話すのをお手伝いするだけ」、ティムは2010年のインタビューで語っている。
ティムによるトレーニングは、「キツかった。何ヶ月も何ヶ月もかかりました」と語るクーパー。 米The Washington Postの取材にも、トレーニング最初の数ヶ月は食道を痛めたと明かしている。「本当に痛かった」、そう振り返るクーパーだが、痛みに耐えても低音ボイスは絶対に習得しなければならない理由があった。
「声が全て。全て声で始まって、声で終わるんです。役者として、それから人間として。歌を歌うことは、だからこそ素晴らしい。心身ともに開放されるんです。隠すことができない。だから地声を低くしたかったんです。」
ブラッドリーは、ティムが施す発声とアクセントのトレーニングを耐え抜き、見事にモノにした。その成果は義兄ボビーを演じたサム・エリオットも舌を巻いたほどだ。サムはテキサス育ちの母を持ち、自身はカリフォルニアで育ったため、2つの訛りが混じり合った英語を低い声で話す。
彼の義弟役として、クーパーはその低音と訛りの体得を済ませていたのだ。サムが初めてブラッドリーに会ったときから、「私みたいな声をしていた」という。サムは米USA Todayに語っている。「私からは何のコツも教えていなかったのに、もうモノにしていたんです。」
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『アリー/ スター誕生』公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/starisborn/